私の中で、慶應に入って最も大きく変わったことは、「文章を読む・書く」ことの捉え方です。決して得意分野とは言えない、「文章を書く」活動が中心なことにとまどいを感じながらも、「取材を通して貴重な体験ができるかも」と思い、塾生新聞会に入ったことが、大きなきっかけでした。色々な方を取材し、記事を書いているうちに、文章を書くことの奥深さを身にしみて感じるようになりました。また、先輩や同期の記事を読んで圧倒され、「もっと表現力を身につけたい」と思うようになってからは、文章の読み方も大きく変わったように思えます。例えば、本に出てきた印象的な比喩表現や言葉づかいをメモして、何度も読み返すなど、工夫して読書を楽しんでいます。文章の読み書きに対する捉え方が大きく変化したのには、自分でもびっくりしています。
ここで一つ、最近読んだ本の中で印象に残った文章を紹介します。
「ずっと探してるのに、まだ見つからないのは、それがあなたにとって大事なことだからだよ。
時が満ちて勝手に答えが出るのを、待ってるしかないんじゃないのかな」
(村山由佳「アンビバレンス」(『ワンダフル・ワールド』所収)
(写真:冬の日吉キャンパス並木道でクラスメイトと)