従来、油圧ショベル等の建設機械を自動制御する「マシンコントロール」には主にGPS(衛星測位)が用いられてきました。しかし、トンネル内や高層ビル群、地下空間などではGPSの精度が低下し、自動化施工が困難でした。
慶應義塾大学理工学部電気情報工学科の吉岡健太郎准教授、同大学大学院理工学研究科学生(修士)の佐古大空らは、産業技術総合研究所の小出健司主任研究員と共同で、LiDAR(ライダー)用の基準マーカー「LiDAR Beacon(ライダー・ビーコン)」を開発しました。LiDAR Beaconは、従来のLiDAR用基準マーカーの約19倍となる世界最長(※)約309mの識別距離を有しています。この圧倒的な長距離識別性能により、広大な建設現場であってもマーカーの設置数を大幅に削減することが可能です。さらに本研究では、LiDAR Beaconを活用した独自の測位システムを確立しました。これにより、これまで自動化が困難だったGPSの届かない環境での建設機械のマシンコントロールを可能にします。
今後は、実際の建設現場での実証実験を加速させ、次世代の建設インフラを支える基盤技術としての普及を目指します。本研究の成果は2026年2月14日にセンサ分野の国際論文誌『IEEE Sensors Journal』に掲載されました。