パナソニック ホームズ株式会社と慶應義塾大学 伊香賀 俊治名誉教授・川久保 俊准教授らは、室内温熱環境が子どもの活動量に与える影響について共同で実証研究を行い、その成果が、国際学術誌「Indoor Environments」(2026年3月号)に掲載されました。
子どもを対象に、実際の生活環境下で活動量を実測する研究は、測定機器の管理や保護者の記録負担によりデータ確保が難しいことから実施例が少なく、国内外でも希少です。今回の掲載は、こうした希少性と学術的価値が高く評価された結果です。
世界保健機関(WHO)は、子どもに対し「1日あたり少なくとも60分の中~高強度の身体活動」を推奨しています。しかし近年、子どもの活動量は世界的に減少傾向にあり、肥満や2型糖尿病、心血管疾患リスクの増加など、長期的な健康リスクが懸念されています。特に日本では、冬季の低温や部屋間の温度差が活動量低下の一因とされ、住宅内の温熱環境の改善が重要な課題となっています。
このような課題認識のもと、近年では医学と建築学分野が連携し、住環境が健康に及ぼす影響を科学的に明らかにする研究が活発化しています。こうした学際的研究の蓄積が進むことで、将来的には、WHOなどによる新たな健康基準策定に向けたデータやエビデンスとして活用されていくことも期待されます。