鱗翅目は昆虫の中でも特に化石に残りづらく、その1グループであるホタルガ亜科の化石は世界的にこれまで発見されたことがありませんでした。
慶應義塾幼稚舎の高橋唯教諭と慶應義塾の相場博明名誉教諭(兼 慶應義塾横浜初等部非常勤講師)、鹿児島大学の坂巻祥孝教授らの研究チームは、秋田県湯沢市の約350万年前の湖成層から産出した蛾の翅の化石を、世界で初めてのマダラガ科ホタルガ亜科の化石として報告しました。
研究チームは「ジオスタ☆ゆざわ」(秋田県湯沢市)に保管されていた化石を詳細に検討したところ、翅脈や翅に残された模様などの特徴からAgalope (ウスバホタルガ)属 の蛾であることを突き止めました。そして、発見者であり地元で精力的に研究をされていた押切伸氏にちなんでAgalope oshikirii(オシキリウスバホタルガ)と名付けました。
この研究の成果は、2025年5月9日に、国際的な古生物学の学会であるThe Paleontological Societyの学術誌Journal of Paleontologyのオンライン版にFirst Viewで掲載されました。