慶應義塾大学アート・センター・アーカイヴでは様々な資料体を構築している。その一つである瀧口修造コレクションの中にはおよそ3500件に及ぶ書簡がある。書簡は常に外部との諸関係を示しており、ある人物の営為や思考が独自のものであるだけでなく、他者と触発し合う中で紡がれていくものであることをも示している。
本展では、そのようなダイナミズムを瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズの書簡のやりとりを通して考えたい。さらには資料が、単に過ぎ去った歴史を根拠付ける物なのではなく、新たな歴史を生み出す力となることを示したい。