慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授、栗原俊英専任講師、三輪幸裕特任助教、正田千穂共同研究員らの研究グループは、糖尿病網膜症の進行を抑制する新たな治療法の研究につき、静岡県水産・海洋技術研究所の二村和視上席研究員、岡本一利所長、日本大学医学部視覚科学系眼科学分野の山上聡教授らとの共同研究において、一定の種類の魚類より抽出された水溶性エキスが、糖尿病網膜症マウスモデルにおいて、網膜の病的血管新生を有意に約65%まで抑制することを確認しました(p<0.000001)。
これらの魚から抽出された水溶性エキスは、網膜内の低酸素誘導因子(HIF)を抑制し、血管新生促進因子であるVEGFやEPOを減少させることで、網膜の血管新生抑制に寄与していることを見出しました。
今回の研究結果は、魚の積極的な摂取が糖尿病網膜症の進行を予防する可能性を示唆する新しい知見です。この成果をさらに発展させることで、糖尿病網膜症患者にとっての新たな治療法となることが期待されます。
今回の研究成果は、4月10日に学際的総合ジャーナル『Nutrients』(オンライン版)に掲載されました。
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