慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授、栗原俊英専任講師、富田洋平訪問研究員、李德鎬(大学院医学研究科博士課程1年)らの研究グループは、興和株式会社(本社:名古屋市)と、抗高脂血症薬の選択的ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体α(PPARα)モジュレーターであるペマフィブラート(パルモディア®、興和株式会社)が糖尿病のモデルマウスにおいて、網膜神経の機能保護効果を示すことを確認しました。
さらに、ペマフィブラートは、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の血中濃度を高めることで、網膜のシナプトフィジンの発現を維持し、網膜神経の機能保護効果があることを見出しました。
今回の研究成果は2019年に同研究室が報告したペマフィブラートの網膜での抗血管新生作用に加え新たな知見であり、さらに発展させることで、世界に多く存在する糖尿病網膜症を原因とする失明を防ぐ治療薬となることが期待されます。
今回の研究成果は、2020年8月28日(グリニッジ標準時)に学際的総合ジャーナル『International Journal of Molecular Sciences』(オンライン版)に掲載されました。