2022年度の秋学期にスタートした「@ease(アット・イーズ)プロジェクト」は、障害のある学生、教職員等を支援する取り組みの一つです。プロジェクトの実施に当たっては、当該の方に関係するさまざまな部門が連携、協力し合いながらその方にあった支援体制を構築していく点が大きな特徴となっています。このことにより障害のある方の孤立を防ぎ、関係するすべての部門が当事者となって障害のある方に向き合うことを大切にしています。
このプロジェクトで大きな役割を果たすのが、年2回(夏・春)の公募で採用された学部・研究科の学生=@easeサポーターです。サポーターに選ばれた学生はプロジェクトを統括する協生環境推進室のコーディネーターや障害学生支援室と緊密に連携しながら、慶應義塾の全キャンパスで障害のある方々をサポートしています。@easeサポーターはいわゆるボランティアではなく、規定の報酬が支給されます。
「2021年夏の@easeサポーターの最初の募集には私たちの想像をはるかに上回る人数が集まりました」と話すのは協生環境推進室のコーディネーター島田由美子さん。「いかに多くの学生がこうしたプロジェクトを待ち望んでいたかということを強く感じました」と話します。
菖蒲健太君(理工学研究科修士課程2年)は、2021年から活動する@easeサポーター第1期生の一人です。大学院で分子シミュレーションの研究に取り組みながら、矢上キャンパスで車椅子の大学職員の介助などを行っています。
「お昼ご飯の買い物の移動介助をして、そのまま一緒に食事もします。私の小学生時代、クラスに身体に障害があったり、発達障害がある友達がいたので、私にとってそうした人たちをサポートすることは特別なことではありません。街中などでも困った人を見かけたら、自然と手を差し伸べます……私にとって@easeサポーターの活動もその延長です」(菖蒲君)