そして日吉記念館は、慶應義塾創立150年記念事業の一環として建て替えが計画された。この計画は2009年にいったん延期され、旧記念館に耐震補強を施したまま中断となっていた。
計画が再開したのは2017年10月で、2年半にわたる工事を経て2020年3月10日に竣工した。新・日吉記念館は、地上4階・地下2階建て、延べ床面積は旧記念館のおよそ倍にあたる約1万2500m2、立ち見席を除く最大収容人数は約6500人から約1万人へこちらも大幅に増えた。規模だけでなく、車いすの方のための観覧スペースなどバリアフリー化がなされ、アリーナに空調機が設置されるなど、利用者にとってさらに快適な空間に進化している。
四季折々の風景や隣接する第1校舎、第2校舎との調和を踏まえた、シンメトリーで、白を基調とした外観の新・日吉記念館。旧記念館の記憶を受け継いで、慶應義塾、そして日吉キャンパスの新たな歴史がここに刻まれていく。