慶應義塾

実践知と理論の両輪で、地域コミュニティを知り、考え、未来に繋ぐ

公開日:2026.06.04

登場者プロフィール

  • 金久保 友菜 Yuna Kanakubo

    総合政策学部 4年

    出身校:大阪女学院高校 国際バカロレアコース

    金久保 友菜 Yuna Kanakubo

    総合政策学部 4年

    出身校:大阪女学院高校 国際バカロレアコース

様々な視点から「ふるさと」を見つめる

父の仕事の関係もあり幼少期から11回も引っ越しを経験しました。10歳からの約5年をドイツで過ごし、帰国後は中学3年から大阪の中高一貫校で学びました。各地を転々としてきたこともあり、「ふるさと」への憧れがありました。

その憧れから、人々が自然とコミュニティを形成する「地域」に関心を抱いていました。このテーマを深めるため、まちづくりや地域行政の視点だけでなく、経営学の視点からも学びたいと思うようになりました。しかしこのような関心は複数の学問分野にまたがるため、大学進学の学部選びには悩みました。

そんな悩みの渦中に出会ったのがSFCの環境です。学生自身が実社会の問題に取り組み、高度な専門性に裏付けられた「実践知」を身につけられる場所。実際に取り組まれている多彩な研究の内容を知り、在学生や卒業生の志の高さにも圧倒されました。1人で達成するのが困難な目標でも、同じ志を持った仲間がいれば成し遂げられるかもしれない。そんな期待も抱いて、SFCに入学しました。

地方を拠点にして、地域コミュニティと向き合う

高校時代は新型コロナの影響で課外活動ができなかったこともあり、大学では実際に日本国内の地方地域に足を運びたいと考えていました。SFCには「まちづくり」や「地域」を学べる研究会がいくつかあります。企業とタッグを組んでプロジェクト化するアプローチもありますが、私の志に合っていたのは長谷部葉子研究会でした。教育というテーマを掲げながら、個々の学生が教育現場のみならず、各地域の地域コミュニティに積極的に入っていく姿勢に感銘を受けました。

1年生の秋学期から、長野県木曽町開田高原という人口約1,000人の地域で教育関連のプロジェクトに取り組みました。地元企業とのコラボレーションに興味が広がったことで、2年生からはソーシャルマーケティングや地方行政などに学びの裾野を広げました。3年生になる直前から青森県八戸市でのプロジェクトに参加し、現在も毎月10日間前後を八戸で過ごしています。

取り組んでいる研究は、若年層のUターンを促す要因について。学校で授業やワークショップを実施したり、中心街の空きビルをリノベして交流拠点を運営したり、人的交流を重視しながら活動してきました。高校生、大学生、そして地域の大人たちが日常的に集う場所でイベントや相談会を企画し、世代間や地域つながりが若者の意識にどんな影響を与えるのかを観察しています。

また教育分野の活動だけでなく、地域文化にもどっぷりと浸かっています。八戸で300年続くお祭り「八戸三社大祭」では、山車制作・本番運行・山車片付けまでを山車組スタッフという運営側の立場で経験しました。地域文化や熱い想いに触れた今、八戸が自分の「ふるさと」であると感じています。またこの熱い経験と学びは、私の卒論のテーマにもなっています。

金久保さん

自分の学びを設計し、自由に動きながら思考できる場所

これまで実践知を重要視するSFCらしい研究を進めてきましたが、卒業プロジェクトでは、これまでの実践をアカデミックに捉え直すことに挑戦しています。清水亮研究会でさまざまな分野に詳しい学生からフィードバックをもらい、これまでに得られた知見と組み合わせることで自分なりの答えを導き出そうとしています。

入学以来4つの研究会に入り、それぞれの場所で貴重な視点と学びが得られました。SFCの先生方はみな熱心に向き合ってくれ、どんな挑戦も後押ししてくれます。そして多様な経験を積んだ学生たちが、それぞれの経験と意見を持ち寄って語りあいます。自分の研究を楽しそうに進めている先生や先輩に囲まれ、日々視野が広がっていくのを実感しています。

現地視察、資金集め、リノベーション作業など、八戸では手間と時間のかかるプロセスがたくさんありました。そのひとつひとつに現地で向き合えたのは、自ら学びを設計できるSFCの環境と、SFC政策支援機構のような学部生を対象とした研究助成制度があってのことです。

みんなが未来に期待を持てる元気な社会を作るため、大学卒業後もさらにSFCの学びを広げていきます。今後は、これまでの地道な実践を踏まえ、テクノロジーの力も使いながら、未来の地域コミュニティと向き合い、思考を深めていく予定です。