慶應義塾

まずは「憲法」「民法」「刑法」から

執筆者プロフィール

  • 小山 剛

    法学部 法律学科教授(憲法)

    小山 剛

    法学部 法律学科教授(憲法)

日吉で学ぶ法律科目

日本にいくつの法律があるか、知っていますか。2000弱だとされています。政令、省令、規則などを加えると、その数は8000を超えます。もちろん、そのすべてを学ぶわけではありません。1年次の最初に学ぶのは、憲法、民法、刑法です。法律(学)を体系的に学ぶうえで、基本となる法典です。民法がわからないと「契約」や「不法行為」といった社会の基本的な仕組みを理解しないままに法学部の4年間を過ごすことになりますし、さらには会社法、経済法といった花形の分野も珍紛漢紛で終わってしまいます。また、刑罰は、「刑法」という名の法律の中でだけ定められているのではなく、道路交通法、独占禁止法、金融商品取引法や青少年保護育成条例などでも定められています。これらの法令を理解するには刑法の知識が前提となります。

憲法とは

私が担当するのは、憲法です。近代憲法には、人権保障と権力分立(統治)という二つの柱があります。1年次は人権、2年次は統治を中心に学びます。国家が侵してはならない自由を保障し、独裁者が登場しないように権力を分立する最高法規であるため、「憲法は国家権力を縛る法である」と言われます。 法律学で重要なのは、事例を通して具体的に考えることです。ただし、事例ばかりだと「木を見て森を見ず」に陥ります。講義では、具体的事例と一般的な理論の間の視線の往復を心がけています。また、大教室の講義は一方通行になりがちですが、まだ裁判になっていない最新の事件や、最高裁判決が近日中に予定されている事件を題材にした事例問題を取り上げ、学生にディベートをさせることもあります。とくに人権は、判例・裁判例も数多くあり、テーマ的にも、ヘイトスピーチ、夫婦別姓など、現在進行形の話題が含まれています。興味をもって学べるでしょう。 さて、民法は内科、刑法は外科にたとえられることがありますが、憲法は何にたとえられると思いますか。答えは自分で探してください。