慶應義塾
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# 15

【私のおすすめ授業】社会心理学概論 ~講義編~

#Learning
公開日:2026.09.16

プロフィール

杉浦 淳吉(すぎうら じゅんきち)

教員・研究者/文学部・社会学研究科 教授

大学院社会学研究科社会心理学を専門とし、環境・リスクに関わる行動や、人と人との相互作用、集団形成について研究している。社会の仕組みをゲームとして体験し、そこから人や社会について考えるSimulation & Gaming(シミュレーション&ゲーミング)の研究にも取り組み、「説得納得ゲーム」「化学反応ゲーム」などを開発。現在は、新たなメンバーが加わることで人や集団がどのように変化するのか、新規参入者の包摂と役割変容について研究を進めている。

ワイワイと楽しそうな声が響く教室。そこでおこなわれているのは、文学部教授・杉浦淳吉先生が担当する「社会心理学概論」の授業だ。文学部社会学専攻の必修授業であり、他専攻・他学部の学生も受講することができる。

この授業の特徴は、ずばり「授業でゲームを行うこと」。

この日行われていたのは、「砂漠で遭難したときにどうするか」。水や服、地図など、遭難時に持っている15の資材に優先順位をつけていき、専門家の順位に近ければ近いほど高得点となる。

授業で使用されているプリント

まずは学生一人ひとりが、自分ならどう判断するかを考え、個人で回答を作成。その後、5〜8人のグループに分かれ、「多数決はしない」「全員が納得するまで話し合う」「自分の意見を伝えるだけでなく、相手の考えにも耳を傾ける」といったルール共有のもと、グループワークが行われた。

グループワークが始まると、教室中で活発な議論が繰り広げられる。笑い声もあれば真剣な表情もあり、それぞれのグループが互いの意見を尊重しながら順位を決めていく。

グループワークの様子

話し合いを終えると、各グループの代表者が結果を黒板に書き込み、いよいよ正解発表。先生が専門家による順位を示すと、驚きの声が教室中に響いた。

黒板へ書き込む様子

しかし、この授業で大切なのは勝つことではない。その後には、話し合いを振り返る時間が設けられ、「なぜその順位になったのか」「どのように意見をまとめたのか」といったプロセスを振り返る。ゲームを通して、人はどのように意思決定し、他者と合意を形成していくのかを体感しながら学ぶ。

このほかにも、学生一人ひとりが水素・酸素・炭素の元素となり、水や二酸化炭素、メタンを作る「化学反応ゲーム」や、資源の配分やルールの変化を通して社会における格差や権力構造を疑似体験する「スターパワーゲーム」など、さまざまな体験型ゲームが授業に取り入れられている。

大学の授業というと、「先生の話を一方的に聞くもの」「受け身で退屈」といったイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし、この授業ではさまざまなゲームを通して、楽しみながら学びを深めていく。

「大学の授業って面白そう」。そんな印象を持ってもらえる授業として、ぜひ多くの人におすすめしたい。

※本記事は2026年時点の情報に基づき作成されたものです。

取材・撮影

kana

生まれは北海道。寿命3年と勧められた愛鳥を飼い始めて13年になります。寿司狂いの鳥飼い。