慶應義塾

精神看護分野

心を深く理解し、その人らしく生きることを支える精神看護実践を探究する

担当教員

担当教員

  • 福田 紀子

    Fukuda Noriko

  • 増田 真也

    Masuda Shinya

大学院生の研究

過去の修士論文のテーマ(過去5年間)

  • 糖尿病看護における精神的ケアに関するスコーピングレビュー

  • 医療的ケア児の母親が「自分を大切にする時間」を体験する意味に関する研究

  • 精神看護専門看護師による倫理調整の実践内容に関する質的研究

  • COVID-19感染症流行下における看護師の精神的健康とレジリエンス、コーピングの関連

  • 救急搬送された自殺未遂患者をケアする看護師への精神看護専門看護師による支援

  • うつをアウトカム指標にした慢性心不全患者への看護介入に関するスコーピングレビュー

過去の博士論文のテーマ

  • 東日本大震災における福島県の看護師の心的外傷後ストレスに関する研究

  • 看護師長による医療事故当事者への支援の構造とプロセス

研究キーワード

精神看護専門看護師 精神看護 トラウマケア 質的研究 医療事故 バーンアウト 行動的意思決定 調査回答行動 心の健康 

分野の紹介

尊厳やその人らしい生き方を支える看護の探求

現代社会は、急速な構造変化や経済的不安、そして相次ぐ自然災害やパンデミックなど、人々の心の健康を脅かす多くの困難に直面しています。このような時代だからこそ、一人ひとりが尊厳を保ち、その人らしく主体的に生きていくための「心の健康」の維持・向上への支援は、その重要性を増しています。本分野では、心の問題を抱えた人々の尊厳を重んじ、その人らしい生き方やリカバリーを支える看護実践、およびその基盤となる新たな知の探求を目指しています。

高度実践看護師の育成と研究者の育成

精神保健医療福祉における複雑な課題を看護の視点から的確に把握・分析し、対象者のQOL(生活の質)向上に寄与できる卓越した人材を育成します。複雑な健康問題に対し、高い専門性を持って介入できる「精神看護専門看護師(CNS)」の養成、そして精神看護の実践知を理論化し、現場の諸問題を解明する「研究者」の育成を掲げています。

本分野の強み:多様なスペシャリストによる多角的な指導

本分野の授業や演習、実習を担当するのは、多彩なバックグラウンドと高度な専門性を持つ教員陣です。精神看護専門看護師(CNS)としての実践・研究・教育経験を有する福田、河野をはじめ、地域で生活する精神障害者の支援やうつ病を抱える人のリワーク支援を研究テーマとする緑川、さらには心理学者の視点から看護師のバーンアウト(燃え尽き症候群)や行動的意思決定、調査回答行動といった現象を科学的に探求する増田など、理論と実践の両輪を担うスペシャリストが揃っています。病院、地域、職域といったあらゆるフィールドの課題に柔軟に対応できる教育体制を整え、皆様の学修と研究をサポートします。

主な論文

  • 福田 紀子・野末 聖香・田久保 美千代・平岩 千明(2023). COVID-19パンデミック下における精神看護専門看護師による看護師支援のプロセス.日本看護科学学会誌,43,547-556.  

  • 大川 貴子・青本 さとみ・岩切 真砂子…福田紀子ほか(2023).災害に備えた平時からのネットワークづくりに向けて 現状の課題と本学会としての今後の取り組み.2021年・2022年精神保健看護学会災害対策委員会報告.日本精神保健看護学会誌,32:2,88-94.  

  • 福田 紀子・緑川 綾・西池 絵衣子・野末 聖香(2022).精神障害者が福祉施設で看護学生と関わる経験. 精神障害とリハビリテーション,26:1,47-56.

  • 福田紀子(2021).精神症状に対する緩和ケア.田村恵子編:新体系看護学全書経過別成人看護学 終末期看護:エンド・オブ・ライフケア第2版.メヂカルフレンド社,pp201-202.

  •   福田紀子(2020).「医療事故」に関わった看護師を支える.日本看護協会出版会.  

  • 吉村治正・増田真也・正司哲郎(2025). 大学生のためのウェブ調査入門―社会科学からみた設計と実装― 慶應義塾大学出版会

  •   増田真也・坂上貴之(2023). 6章 調査回答における中間回答/ 8章 回答の指示と不注意回答 (山田一成(編著) ウェブ調査の基礎―実例で考える設計と管理―) 誠信書房  

  • 増田真也・広田すみれ・坂上貴之(2023). 心理学が描くリスクの世界 Advanced―行動的意思決定の展開― 慶應義塾大学出版会  

  • Ohno, H., Masuda, S., & Maeno, T. (2023). A Japanese version of the personal relative deprivation scale (J-PRDS): Development and validation of the J-PRDS. Current Psychology, 42, 15465–15474.  https://doi.org/10.1007/s12144-022-02812-w  

  • 増田真也・岩田真幸・西名諒平・清水称喜・中田諭・村山有利子・西川菜央・辻尾有利子・戈木クレイグヒル滋子(2022).テキストマイニングによる集中治療室入室児の親の不安の検討 Journal of Health Psychology Research, 35, 43 – 52.

  • 増田真也 (2022). Topic 14 感情労働とバーンアウト(応用心理学ハンドブック第13章 産業と応用心理学, pp.656-657) 福村出版 

  • 西名諒平・岩田真幸・増田真也…戈木クレイグヒル滋子(2020). 小児集中治療室入室児の両親の不安・抑うつ・ PTSD の実態と経時的変化 小児保健研究, 79, 140-151.

修了生の進路

専門看護師認定資格取得状況

(2025年12月現在)

  • 精神看護専門看護師:32名

修了生の所属先

  • 一般病院/特定機能病院

  • 精神科病院

  • 精神科クリニック

  • 訪問看護ステーション

  • 大学

  • 企業

  • 学校

メッセージ

本分野の教育・研究上の強みに加え、多くの修了生が「精神看護専門看護師(CNS)」として第一線で活躍していることや、修了後も定期的な事例検討会を通じて、実践報告や相談ができる場を設けている点も大きな特徴です。現場の第一線で活躍する先輩方とのネットワークは、皆様のキャリアにおいてかけがえのない財産となるでしょう。精神看護の深遠な魅力を、私たちと共に探求してみませんか。

精神看護事例検討会

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