記者の日常 #005（塾生新聞会）

　みなさんは何か大学で学びたいものがあるでしょうか。正直私は、学びたいものが明確であっても、そうではなくても良いと思います。慶大法学部政治学科は幅広い政治学の科目が設置されており、なかにはテレビに出演するような先生方もおられます。今、これといって関心のある分野がない人も、一つは学んでいて楽しいと思えるような科目に出会えるはずです。

　 大学、特に慶大法学部政治学科では自分が学びたい学問分野を探す過程(1, 2年)と、その学問分野に集中して探求する過程(3, 4年)があります。2年の私は自分が学びたい学問分野を探す過程にいます。とある学問分野を学びたくて、慶大の法学部政治学科に進学しました。しかし、1年のときにその学問分野の基礎を学んでみると、自分とはあまり相性が良くありませんでした。大学は本当に面白いところです。大学で学んでいると、興味があっても自分に合わない科目があったり、興味がなくても履修してみると好きになる科目があったりします。一つのテーマに絞り込むのではなく、幅広い分野にアンテナを張り、学んでいく姿勢が大事であると身を持って感じました。学問との出会いを大切にするなかで、ようやくいくつか自分に合った学問分野を見つけることができました。来年は希望するゼミに入り、その学問分野を探求することができればいいなと考えています。

（写真：故郷の風景）

　受験や将来の不安があると、自分のことがよく分からなくなったり、自信を持てなくなったりすることがあると思います。私も受験生の時は、人一倍心配性で、自信をなくしたり、人と比べて落ち込んだりすることが多かったです。卑屈になるあまり担任の先生の喝がなければ、慶大を受験する勇気が出ませんでした。

　そんな私から受験生のみなさんへ伝えたいことは、「自分の感覚を大切にしてほしい」ということです。もっと自分のことを信じて良いと思います(過信するのは良くありませんが…)。「楽しそう」、「これは違うのでは」といった感覚は案外間違っていないはずです。そして、不安な時はいつでも深呼吸をして、信頼できる人に相談してください。

　大学生になれば、より自分の感覚を頼りに選択していく場面が増えていきます。私は新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた昨年4月に入学しました。上京するのかどうか、どのサークルを選ぶかはニュースやSNSの情報と自分の感覚だけが頼り。自分の感覚を大切にした結果、自分に合った場所を見つけ、素敵な仲間や先輩方に出会うことができました。

　自分の感覚を大切にしてください。そうすれば自ずとあなたらしい新しい道を開けるでしょう。

＊ウェブマガジン次号は、大学生の一人暮らしについてのコラムを掲載したいと思います。来週水曜日に更新予定です。