慶應義塾

『80歳、これからが人生本番』

公開日:2026.06.09

執筆者プロフィール

  • 菅沼 安嬉子(すがぬま あきこ)

    菅沼三田診療所副院長医学部 卒業

    1968医

    菅沼 安嬉子(すがぬま あきこ)

    菅沼三田診療所副院長医学部 卒業

    1968医

私は1985年から2000年まで、慶應義塾女子高等学校で保健の授業を担当させていただきました。高校生の心と体の健康から、妊娠、出産、更年期までを教えました。16年間なので教え子は約3000人。その可愛い教え子たちも、はや50歳前後。これからの道しるべとなる本を出したいと思い立ちました。

『私が教えた慶應女子高の保健授業』の本を出版してくれた世界文化社は女性向けの『家庭画報』を出しているので、女性のための本にしようと話が進み、50歳、60歳、70歳、80歳の年代での健康管理や生活、心の持ち方などの指南書ができました。私の生き方も入れようということになり、教え子たちに「私はこんな人生だった、皆ついておいで」というような本になりました。

人生50年の頃は60歳で還暦のお祝いをして、残りは余生をゆっくり過ごす時代でしたが、今や人生100年時代。70歳でも元気な人は沢山います。30年をぶらぶら過ごすのは実に勿体ない。私は自身で連合三田会会長80歳定年制を作り、最後の連合三田会大会の挨拶で、これからは地球の病気を診ますと宣言しました。温暖化も危機的ですが、私は医者なので、プラスチックがウイルスの小ささにまで分解して人体に侵入してきているナノプラスチック問題に取り組むことにしました。今年の1月にニューメキシコ大学主催の国際ナノプラスチックカンファレンスに招待されて講演しました。82歳でのアメリカ学会講演ということで行きのJALアテンダントたちは大騒ぎ。降りるときは全員が並んで手を振ってくれました。

女性向けの本として発売しましたが、男のかたたちからも「人生の勇気をもらった」と嬉しいお言葉をいただきました。しかし80歳で活躍するには50歳からの健康管理が必要です。塾員の皆様にぜひお読みいただき、「ありがとう」と言える80歳、「ありがとう」と言ってもらえる80歳を目指してください。「ありがとう」は幸せのキーワード。脳からオキシトシンなどの幸せホルモンが出て皆様の脳を元気付けてくれます。元気な塾員に支えられて慶應義塾が益々活性化してくれたらこんな嬉しいことはありません。

『80歳、これからが人生本番』
菅沼 安嬉子(すがぬま あきこ)
世界文化社 200頁 1,870円〈税込〉

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。