環境情報学部教授 高汐一紀研究室所属の宇治川遥祐さん(受賞時政策・メディア研究科修士課程2年)が、HAIシンポジウム2026で「Most Outstanding Research Award (最優秀論文賞)」を受賞しました。
HAIシンポジウムは、人間と「エージェント(意図や知能を感じさせる対象)」との相互作用(インタラクション)を扱う学際的な国内シンポジウムです。
単なるロボット工学やAI技術の発表の場にとどまらず、「人間がどう感じるか」「人間とどう関わるべきか」という視点が重視され、工学と認知科学・心理学が交差する立ち位置を持つ学会であり、純粋なAIの学会よりも「人間側の認知や心理」に、純粋な心理学の学会よりも「システムの実装や構築」に重きが置かれています。この「作りながら人間を知る(構成論的アプローチ)」が、HAIの伝統的なスタンスです。
20回目の開催となる今回、36件の口頭発表論文と82件のポスター発表が行われました。プログラム委員による一次選考および当日の発表に基づく最終選考を経て、新規性・影響力・完成度といった視点から高い評価を得た研究に対して賞が授与されました。
宇治川さんが受賞した「Most Outstanding Research Award (最優秀論文賞)」は、学生と一般を問わず、計118件の中から選ばれた最も権威のある賞となります。
研究題目
「対話システムにおけるユーザの交替潜時に同調した発話制御とその影響分析」
宇治川 遥祐,高汐 一紀 (慶應義塾大学)
宇治川遥祐さんのコメント
この度、HAIシンポジウム2026にて発表した論文が、「最優秀論文賞」に選出されました。このような素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思います。
私はこれまで、「人は対話を通じてどうやって仲良くなるのか」という興味から出発し、同じ内容でも「話し方」の違いで対話の質が変わることに着目して研究を進めてきました。本論文では、対話における「間」に焦点を当てています。これまで音声対話システムは「可能な限り早く返答すること」が求められてきましたが、本研究ではあえて話し相手のペースに合わせた「間」を取るシステムを実装し、その影響を分析しました。ユーザに寄り添う「間」の制御が、システムとの対話の可能性を広げると評価していただけたことを、大変嬉しく思います。
急速に発展するAIとのインタラクションや、人同士の関わり合いの形を探求・発展させる一つのきっかけとなれば幸いです。
今回の受賞を励みに、今後もより良いコミュニケーションの実現に向けて探求を続けてまいります。最後になりますが、ご指導くださった高汐先生をはじめ、実験にご協力いただいた皆様、共に議論を重ねてくださった皆様に心より深く感謝申し上げます。
発信元:湘南藤沢事務室 総務担当