慶應義塾大学三田キャンパスの建築群は、さまざまな変遷を経験し、現在の姿になりました。建築物の中には福澤諭吉の存命中に建てられたものもありますし、各世代の日本を代表する建築家によるものもあります。こうした価値ある建築物が多く残されているところには、義塾の歴史を感じることができます。キャンパスに通う学生が日ごろ何気なく教室や図書館として利用している建物が、重要文化財であったり世界的な建築家の作品であったりすることを知れば、大学や建築という自身を取り巻く環境に気づき、豊かな空間体験に目が向くことでしょう。また三田キャンパスの建築群は、日本の近代建築史の流れを実際に目にできる貴重な環境といえます。それゆえこれらの建築物は慶應義塾にとってだけでなく、地域にとってもきわめて重要な文化資源です。
「慶應義塾三田キャンパス建築プロムナード─ 建築特別公開日」では、通常は非公開の建築物「旧ノグチ・ルーム」および「演説館」を特別に公開します。また、キャンパス内にある彫刻や建築を解説したマップを配布しますので、マップを片手に、自由にキャンパス内の散策をお楽しみください。