慶應義塾大学とインペリアル・カレッジ・ロンドン(*)は、サイバーセキュリティ分野での安全性技術の実現に貢献するため、「国際共同研究」の実施に先駆けて学術交流協定を締結しました。今後、慶應義塾大学とインペリアル・カレッジ・ロンドンは、サイバーセキュリティにおける共同研究の実施や学生・教授陣の交換などを行います。
慶應義塾大学は、10学部、14研究科を有する総合大学として、人文、社会科学、医・薬・看護学、理工学等、幅広い分野における教育研究に取り組んできました。こうした中で、我が国のみならずグローバル情報社会の最重要課題であるサイバーセキュリティ分野の社会課題に学問分野を越えて取り組むために、2015年8月にサイバーセキュリティ研究センターを設置しました。そして2016年11月、サイバー空間の特徴であるボーダーレス環境での取り組みとして、慶應義塾大学の呼びかけで、米国・英国・日本のサイバーセキュリティ分野における主要大学が世界初の国際連携組織「InterNational Cyber Security Center of Excellence (INCS-CoE)」を設立しました。今回の学術交流協定は、その活動の一環として実現したものです。
慶應義塾大学は、インターネットやIoTなどの情報系技術の進展に25年以上にわたり大きく貢献してきました。サイバーセキュリティ、IoT、ビッグデータ、AIなどの技術を基盤としたグローバル情報社会では、あらゆる分野を巻き込んだイノベーションが誕生します。このような社会の実現に向けて、高度な分析や評価を通じ、最先端のセキュリティ技術を展開していきます。
一方、インペリアル・カレッジ・ロンドンは、イギリスの研究大学(公立)で、1907年に設置され理化学科目を中心とした大学です。教育と研究分野で国際的に最高峰の評判を有する科学技術分野の大学で、次世代の研究や科学技術で多分野にまたがる研究に熱心に取り組んでいます。英国のサイバーセキュリティ分野においては、13の大学がCenter of Excellenceに認定されており、インペリアル・カレッジ・ロンドンはその1つの大学で、特に制御系技術分野に強いことで知られています。
インペリアル・カレッジ・ロンドンは、サイバーセキュリティ分野において、特に重要インフラを対象とした制御系技術の研究を行っております。特徴としては、システム稼動時のみならず設計時での安全性や耐久性の分析、適合、メンテナンスなどを考慮した信頼度と回復力の高い工学とデザインなどの研究が上げられます。
サイバーセキュリティ分野では、激増するボーダーレス問題に対し、一国や一組織だけではサイバー脅威への対策は困難です。これに応えるために、INCS-CoEのメンバーである慶應義塾大学とインペリアル・カレッジ・ロンドンは、現在構想中の「国際共同研究」を通して、それぞれの大学の強みである情報系と制御系の技術を融合し、来るグローバル情報社会への国際的な貢献を目指します。今後、それぞれの持つ実績や強みを生かすことで、サイバー攻撃が国際社会に重大な影響を及ぼす脅威となっている現代、国際社会を支えるために必要不可欠な要素となったセキュリティ分野に求められる世界最高水準の技術の実現を目指します。
*締結主体は、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科、総合政策学部および環境情報学部とインペリアル・カレッジ・ロンドン セキュリティ科学技術研究所
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インペリアル・カレッジ・ロンドン
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