慶應義塾大学医学部坂口光洋記念講座(システム医学教室)の洪 実教授、生理学教室の柚崎 通介教授からなる研究グループは、ヒト多能性幹細胞であるES細胞、iPS細胞から、1週間で、90%以上という高い効率で神経細胞を分化させる「細胞分化カクテル」の開発に成功しました。このカクテルを、細胞に数回添加するという簡単な操作で、密な神経突起ネットワーク、電気刺激への反応性、運動神経特異的なマーカー発現を有する機能的な神経細胞が創出されました。
開発されたカクテルは、細胞のゲノムDNAに傷をつけないため、より安全であると考えられます。また、量産が可能なため、細胞移植や創薬スクリーニングに必要とされる大量の神経細胞を簡単に作ることができます。その結果、神経細胞の基礎研究のみならず、神経細胞の異常でおこるさまざまな病気に対する薬の開発、病態解明、再生医療などに役立つことが期待されています。
本研究成果は、2017年2月13日に「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。
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