3月5日と6日の2日間、慶應義塾大学は三田キャンパスにて、エラスムス・ムンドゥス・サポート・イニシアティブ(Erasmus Mundus Support Initiative)によるアジア太平洋地域セミナーを共催しました。エラスムス・ムンドゥスは、欧州と世界各国との高等教育機関の協力による留学プログラムを長年実施しています。
本セミナーには、ハイツェ・ジーメルス駐日EU代表部公使/副代表、ジャック・ケンプ氏(Head of Sector, 欧州教育文化執行機関)をはじめ、EU諸国、オーストラリア、インドネシア、台湾などからのオンライン参加も含め、アジア太平洋地域各国の政府・大学関係者約70名が集いました。日本からは文部科学省大臣官房奈良哲文部科学戦略官のほか、同省「日-EU戦略的高等教育連携支援世界展開力事業」の採択大学である東京外国語大学、豊橋技術科学大学などの大学関係者、そして本学からは、池田幸弘常任理事、三木則尚理工学部教授らが参加しました。
初日の開会の挨拶において、池田常任理事は、欧州とアジア・太平洋地域との人的交流は、これまで以上にますます重要になると述べました。
三木教授は、具体的な連携事例として、世界展開力事業により本学理工学研究科が欧州3大学と実施するダブルディグリープログラム、JEMARO(Japan-EU高度ロボティクスマスタプログラム)の取り組みを紹介しました。2日目の基調講演において、JEMAROでの経験を踏まえた教育理念や教育方法といった日欧での大学間の違い、カリキュラムやプログラム開発における評価や質保証等について問題提起を行いました。
2日目のセミナー最後のセッションでは、メキシコとドイツからJEMAROに参加している留学生2名がパネリストとして登壇しました。JEMAROに応募した動機、日本での研究、これからエラスムス・ムンドゥスのプログラムに応募する学生への助言など、学生からの生の声は多くの参加者の関心を集めました。2日間のセミナーは、アジア太平洋地域と欧州間の交流をより活発なものにするための提案や意見を共有して、盛会のうちに幕を閉じました。