5月27日(水)、本学J-PEAKS事業の海外参画機関であるキングス・カレッジ・ロンドン(KCL, King’s College London)のアントレプレナーシップ・インスティテュートでディレクターを務めるJulie Devonshire氏と、起業家教育・支援をめぐる意見交換を実施しました。本学からは、イノベーション推進本部長の新堂信昭特任教授をはじめ、同本部戦略企画室のスタッフを中心に、グローバルリサーチインスティテュートやグローバル本部の教職員が参加しました。
本学J-PEAKS事業では、英国の先導的研究大学であるKCLの社会へのインパクト重視の研究支援、研究初期から社会実装、アントレプレナーシップ醸成等の総合的な研究支援体制を取り入れながら、これまでの研究教育の連携実績を土台に、さらなる研究力の強化、国際展開の促進を目指しています。
この意見交換では、まずJulie Devonshire氏より、スタートアップ支援と起業家マインドセットにかかるKCLの取組の紹介がありました。とくに、①1年間にも及ぶ長期アクセラレーターを重視し、学習と実践の反復でピッチや資金調達、顧客獲得に必要なスキルの積み上げを行うスタートアップ支援、②研究成果の社会実装や事業化に向けたスピンアウト支援、③投資家ネットワークにつなげて資金獲得までのイベントやマッチングを行う投資家連携活動について詳細な説明がされました。また、起業家マインドセットについては、起業を目指すステークホルダーだけではなく、全学生・教職員のキャリアに必要なスキルとして、7つのスキルモデルを提示していることが紹介されました。
その後、アントレプレナーシップ講座の概要やメインターゲット、教職員に向けたアントレプレナーシップのマインドセット、教育戦略についてについて多角的に意見交換を行いました。
KCLでは、ビジネススクールでアントレプレナーシップ教育を専門とする教員12名が中心となって講座を運営しています。そして、アントレプレナーシップ・インスティテュートが、正課の授業に加え、ピッチやプレゼンの方法、インタビューの機会に適切に応える方法などのワークショップ形式の課外学習プログラムを担っています。課外活動としては、ピッチイベントやアイデアコンペ、ソーシャルメディアを活用した繋がり、チームで働く方法を学ぶプログラムなどを展開するとともに、ロンドンの中心部に位置すると立地を活かして、コワーキングスペースを見学したり、投資家に面会したりという活動も実施しています。
本学のアントレプレナーシップ教育のメインターゲットは学部生が中心ですが、KCLはスタートアップの立ち上げや就職という点から、学部生よりも大学院生をメインターゲットとしています。さらに、教職員、とくに若手の研究員については、毎年、アントレプレナーシップに関する意識調査を行っており、投資家ネットワークへ接続するための支援も行っています。教職員も学生と同じく、ピッチイベントへの参加などが可能であり、また、スタッフ研修として、それぞれの立場(部署・役割)で、より起業家に近づくためのコース(問題解決スキルの養成や、発想、ピッチ方法)を設けています。
KCLの投資家ネットワークは拡大し続けています。KCLでは卒業後の年数に関係なく、卒業生を支援する方針を取っており、卒業生も投資家ネットワークに加わり、資金提供や知識の供与、寄付金の募集などで深く関与しています。
この意見交換を通じて、英国トップ大学のアントレプレナーシップ教育の好事例を共有することができました。本学ではこのグッドプラクティスを参照し、今後もアントレプレナーシップ教育を充実させていきます。