12月4日(月)、慶應義塾大学、上智大学、東北大学の3大学による連続ワークショップ「ウクライナ復興そして未来を考える」の第3回「ルブリン・トライアングルと日本」が三田キャンパスで開催されました。このワークショップでは、ウクライナの復興とさらなる発展に焦点を当て、特に「ルブリン・トライアングル」と呼ばれるウクライナ、ポーランド、リトアニア3国の地域連合と日本がどのように連携できるかが議論されました。
今回のワークショップは土屋大洋慶應義塾常任理事の司会で進行。伊藤公平慶應義塾長による開会の辞に続く基調講演では、駐日ウクライナ特命全権大使であるセルギー・コルスンスキー氏が登壇し、「ウクライナの再構築と復興」について熱心に語りました。コルスンスキー氏は、ルブリン・トライアングルが協力関係にある歴史的背景の説明とともに、ウクライナが直面している課題と、国際社会が協力して支援する必要性を訴えました。
続いて、駐日ポーランド共和国特命全権大使のパヴェウ・ミレフスキ氏と駐日リトアニア共和国特命全権大使のオーレリウス・ジーカス氏が、それぞれの国がウクライナの独立と復興を支援する理論的根拠や実際に行っている支援について論じ、第二次世界大戦や自然災害など、多くの復興経験をもつ日本への期待を語りました。
さらに、湯浅剛上智大学外国語学部ロシア語学科教授が、「ロシアのウクライナ侵攻後のユーラシアにおける地域主義」について講演し、戸澤英典東北大学大学院法学研究科長・法学部長が「2020年代の世界における日本外交の可能性と限界」について考察しました。
パネル・ディスカッションは細谷雄一慶應義塾大学法学部教授が進行し、各講演者による異なる視点からの議論が交わされました。留学生を含む参加者との質疑応答も行われ、参加者にとって各国大使からの回答を直接得られる貴重な機会となりました。
最後に廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授が閉会の辞として参加者に感謝の意を表し、今後の展望に期待を示しました。ワークショップには慶應義塾以外の高校生、大学生、研究者等も参加し、ウクライナ問題について「ルブリン・トライアングル」という新たな視点を得る場となりました。
第1回上智大学主催のワークショップの様子
第2回東北大学主催のワークショップの様子