戊辰戦争のさなかの慶応4年5月15日、江戸中が騒然とする中、福澤諭吉は動ずることなくいつものようにフランシス・ウェーランドの経済書に関する講義を続けました。慶應義塾では、世の中にいかなる変化があっても学問教育を尊重した福澤の精神を長く伝えるために、5月15日を「福澤先生ウェーランド経済書講述記念日」として1956年より記念講演会を開催しています。
今年は5月13日(金)、三田キャンパス北館ホールにて、鈴木哲也理工学部教授により、「慶應義塾における教育研究の産業界への貢献~現代の実学とは?~」という演題で講演会が行われました。鈴木教授はバブル崩壊後から大きくなった大学の研究開発への期待に対し、総合大学の強みを生かした文理融合を進め、教育研究と産業界がより連携を強めていくことの重要性や、独自に解釈した福澤諭吉の思想の現代への応用について考察しました。
鈴木教授のユーモアを交えた講演により、会場は時折笑い声に包まれ、学生からは文理融合に関する質問もあり、聴講者は熱心に耳を傾けていました。
講演アーカイブ動画