戊辰戦争のさなかの慶応4年5月15日、江戸中が騒然とする中、福澤諭吉は動ずることなくいつものようにフランシス・ウェーランドの経済書に関する講義を続けました。慶應義塾では、世の中にいかなる変化があっても学問教育を尊重した福澤の精神を長く伝えるために、5月15日を「福澤先生ウェーランド経済書講述記念日」として1956年より記念講演会を開催しています。
今年は、5月15日(水)、三田演説館にて、竹森俊平経済学部教授により、「グローバル化とポピュリズム政治」という演題で講演会が行われました。竹森教授は、グローバル化、エリート、ナショナリズムの3つの要素に焦点を当て、世相が大きく変わる1860年代から現代に至るまでのポピュリズム政治の流れを考察しました。
当日の演説館は満席で、立ち見がでるほどの盛況となりました。聴講者は講演に熱心に耳を傾け、配布された資料にメモを取る姿も多く見られました。
なお、講演録は慶應義塾機関誌『三田評論』に掲載予定です。
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