12月19日(木)、信濃町キャンパスの北里講堂にて、第24回慶應医学賞授賞式が行われました。
慶應医学賞は、1996年から慶應義塾医学振興基金によって行われている事業で、医学・生命科学の領域において顕著かつ創造的な業績を挙げ、今後、さらなる活躍が期待される国内外の研究者から受賞者を決定しています。本賞受賞者からノーベル賞受賞者を8名輩出しており、国内の大学において他に類を見ない顕彰制度です。
本年は「Wntシグナルによる幹細胞と臓器形成制御」の研究テーマによってユトレヒト大学医療センター(オランダ)教授のハンス C. クレバース博士が、「IL-6の発見から医学への応用」の研究テーマによって大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授の岸本忠三博士がそれぞれ受賞しました。クレバース博士は、細胞の発生と分化に関わるメカニズムの研究によって、幹細胞の機能や性質を明らかにするだけでなく、体外でヒト小型臓器を培養するオルガノイド技術を開発したことが評価されました。また、岸本博士は、免疫に関わるたんぱく質の一つインターロイキン6(IL-6)を発見し、その働きを明らかにするだけでなく、この基礎研究の成果を創薬に活かし、関節リウマチやキャスルマン病の治療薬を開発したことなどが受賞の理由となりました。
はじめに、慶應医学賞審査委員長の岡野栄之医学研究科委員長から審査報告があり、学内外の審査委員によって157名の候補者を厳正に審査し、2名を選出したことが報告されました。次に長谷山彰塾長からクレバース博士と岸本博士にメダルと賞状が授与され、祝辞が述べられました。
続いて、亀岡偉民文部科学副大臣兼内閣府副大臣、ペーター ファン・デル・フリート 駐日オランダ王国大使より祝辞が述べられ、最後に、両博士から受賞に対する喜びやこれまでの研究の経緯、研究に関わる方々への謝意、そして今後の研究への熱意が語られ、授賞式は終了しました。
引き続き行われた受賞記念講演会では、天谷雅行医学部長の挨拶の後、受賞者による講演が行われました。来賓、教職員、学生など300名以上が熱心に聴き入り、講演後には満員の聴衆の中で活発な質疑応答が行われました。
第24回慶應医学賞の授賞研究テーマの詳細、受賞者の略歴等
慶應義塾医学振興基金