慶應義塾

卒業生と在校生の交流を促す実践(湘南藤沢中・高等部)

公開日:2026.05.01

卒業生と在校生の交流を促す実践(湘南藤沢中・高等部)

湘南藤沢中・高等部では、部活動、授業、講演会など、学校生活の様々な場面で卒業生と交流する機会を設け、生徒の塾生としての意識と、学習への動機付けを高めるよう工夫しています。その中でも特徴的な実践の1つが、以下に紹介する、理科の実験において在校生と卒業生を交流させる取り組みです。

「実習サポーター」として実験に参加する卒業生

高等部における分子生物学の実験(4年生必修授業、および6年生選択授業)で、年に数回程度、「実習サポーター」として卒業生数名を招いています。この卒業生は6年生に在籍していたときに、選択科目で「生命科学Ⅱ」を履修しており、卒業後数年程度の学部生が参加してくれることが多いですが、必ずしも理系学部に進学した生徒ばかりではないのが面白いところです。「実習サポーター」は単なる実験手技の補助だけでなく、プレゼンテーションや実習中の待ち時間における生徒との対話も任され、実験授業の中で大きな役割を担っていると言えます。

プレゼンテーションでは「自分が在校生だった当時、先輩からこんな話を聞きたかった」という思いを念頭において、自由な形式で話してもらえるようにお願いしています。「中高時代の思い出に残る経験や学び」や「進路選択時の悩み」、「現在の大学生活(社会人生活)の紹介」など、内容は多岐にわたります。理系学部に進学した卒業生は自身の研究内容を発表してくれることも多く、在校生の関心を引いています。

生徒との対話をお願いしているのは、卒業生は在校生との年齢も近く、同じ学校で日々を過ごしたという共通のバックグラウンドを持っており、より自分に近い立場の先輩達との交流によって、普段は表に出さない将来への目標や悩みを率直に口にする在校生も多いためです。担当教員は、「こういった場を通じて、在校生と卒業生が励まし合い、互いに前向きな気持ちを持てる時間になってくれれば」と話しています。

プレゼンテーションを行う卒業生

卒業生の中には社会人になってからも繰り返し参加してくれる学生もいます。以下は現在医学部に所属し、「実習サポーター」を何度も引き受けてくれている学生の感想文です。

私が6年次に選択授業として「生命科学II」を受講した際、実験実習に卒業生がサポーターとしてご参加くださり、実験手技の指導のみならず、学部選択や大学生活、将来の進路についても相談させていただく機会がありました。学年が近い卒業生から実体験に基づく話を直接伺えたことは、進路を具体的に描くきっかけとなりました。その経験が強く心に残り、「自分もいつか後輩に還元したい」との思いから、卒業後は実習サポーターとして本授業に関わらせていただいています。これまでに計4回参加し、実験実習に加え、現役高校生から進路や学びについて相談を受ける機会をいただいてきました。実習で関わった後輩が、その後進学先を知らせてくれたり、同じ学部の後輩として入学したり、さらには実習サポーターとして 湘南藤沢中・高等部に戻ってきてくれるため、学びが学年を越えて自然に受け継がれていることを実感しています。学ぶ側と教える側が固定されることなく関わり合うこの環境は、慶應義塾の「半学半教」の理念を体現するものであり、湘南藤沢中・高等部という学びの原点に立ち返りながら後輩と向き合えることに、大きな喜びと意義を感じています。

講義を行う卒業生