慶應義塾

フランス語

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担当:西川 葉澄 専任講師ほか

履修者は何人でしたか?

フランス語インテンシブ3FB 履修者数:20名

フランス語インテンシブ3の開講クラス数:2

合計履修者数:27名  

授業形態は何でしたか?

ライブ(SFC-SFS, Slack, Google form, Dropbox, LINE併用)

言語の授業では、オンラインならではの様々な取り組みを進められたようですね。それらのねらいや内容について具体的に教えてください。

フランス語インテンシブ3 FBの構成

チーム①

チーム②

基本的な実力の養成

異文化理解、自己理解、創造性

(火曜日)日本人教員

(水曜日)フランス語ネイティブ教員  

(木曜日)日本人教員

(金曜日)フランス語ネイティブ教員  

時事問題の聴解・読解

文法学習  

ショートストーリーの読解

同内容のオリジナルビデオの聴解

フランス語で語られる物語の情動的理解/内面化/創造性の育成

異文化理解と自己理解  

WebEx Training→Zoom

Google document  

WebEx Training →Zoom

SFC-SFS→Slack(ポートフォリオとコミュニティ作り)

Dropbox, Google form, LINE  

2つのチームに分けた狙いは以下になります。週の前半では、時事問題を扱って「聴解、読解、文法」に取り組むという、言語学習においてはスタンダードな内容の授業が確保されました。このように、授業形式が対面、オンラインにかかわらず、言語教育として不可欠な知識の教授がされました。こうしてフランス語のベーシックな実力育成が担保されることで、週の後半には学生の自律性や将来的な学習の継続可能性の向上を目指した、より自由な授業展開が可能になりました。以下に具体的な取り組みを箇条書きで示します。

  • フランス語で書かれたショートストーリー(+ビデオ作品)の鑑賞

  • 明解だが、文学的な奥行きのある文体に触れ、行間を読む訓練をする

  • 日本語訳だけに頼らない読解練習(理解したものをパワーポイントにフリー画像をコラージュして意味世界を構築し紙芝居を作る、場面を自分で朗読し演じるビデオ作成など)によるフランス語の内面化

  • 異文化理解:フランス語の内面化を通して、フランス語・フランス語圏文化への理解を助ける

  • 扱われているテーマ(怒り、ユーモア、執着、人生の目標など)を自分の問題として考え、ディスカッションすることで自己理解を助ける

  • フランス語を用いた創造的活動の奨励

  • 学生の成果物をオンラインツール(当初はSFC-SFSだったが、のちにSlackに移行)を活用することでデジタルアーカイブにして、相互閲覧による刺激の交換に役立てる

  • 学生成果物をデジタルポートフォリオに収納し、教員にもメリット

  • Slack, LINEによりクラスコミュニティを可視化(授業外にもコミュニケーションが継続)

  • 当初はWebEx Training 、その後ZOOMを使用してのライブ授業であったが、このようなツールのおかげで通常キャンパスで行なっている対面授業とほぼ変わらないフランス語の授業が保証された。もともと対面型授業をキャンパスで行なっていた頃より、事前に資料をメール配布する、クラスでLINEグループを作り毎回の授業のノートのシェアをあえて奨励して復習に役立たせる、課題等のリマインドや資料を配布する、このようにグループの連絡を密にすることでコミュニティを強固にするなどの試みは行われていたため、オンラインに移行することで新たな挑戦となったのは、双方向性授業ツールの習得程度であった。

    今回特別にオンラインの特性を活用した例としては、Slack活用によるデジタルアーカイブ作りと、日本語訳を強く介在させず、画像利用による直感的な理解を促す活動において、パワーポイントによる画像コラージュの紙芝居やビデオ作り、上記にテキスト朗読をつけさせての発音チェックなど、オンライン授業の模索により、学生側にも教員側にもデジタルツールがより身近になり、活用されたと言える。そして週の前半では語学学習の定番的授業運営(時事、リスニング練習、フランス語の大量のインプットなど)がされ、後半ではよりフランス語を使った創造的な試みを含む活動という具合に、全体としてバランスが良かったと言えるだろう。

    また、オンライン授業が始まる前の準備として、フランス語セクション全体で多くの教員が自主研修を繰り返し行なったのは言うまでもないが、授業開始前に登録学生に接続チェックの機会を設けたり、フランス語SAが週に1度「たまり場」と称するフランス語学習者のスペースをzoomで用意して学生同士の交流を図った。そしてメールでのオンラインサポート(ausecours@)を実施し、授業ツールに接続できない、問題が生じたなどの学生対応を行なった。

    今回紹介するインテンシブ3FBは科目の多いフランス語の授業の中の一例である。

履修者の反応や効果について教えてください。

履修者の反応:学期終わり調査(回答率25%)によると、各教員に対する評価にはそれぞればらつきがあるが、科目として総合するとこちらの予想に合致する形で期待通りの効果が上がったと言える。

授業の効果:言語学習において授業の効果が1学期で出ることはあまりないが、このクラスに関して言うならば、学期の初めから終わりまで一貫して履修者全員の遅刻・欠席が非常に少なく、良いグループを形成したまま一学期を終了した。今回授業の試みを報告するにあたって、学生に課題の紹介可否を問うLINEメッセージを送付したところ、6割以上の学生から好意的な反応が戻ってくるなどの手応えは感じられた。今後とも履修学生がフランス語に関する情動をポジティブなままで保持し、学習を継続することを望んでいる。