慶應義塾大学医学部眼科学教室の栗原俊英専任講師、國見洋光特任助教、李德鎬(大学院医学研究科博士課程2年生)らの研究グループは、網膜虚血再灌流マウスモデルにおいて、転写因子である低酸素誘導因子1α(HIF-1α)の発現を遺伝子改変によって抑制することで、網膜神経細胞死の抑制効果を確認しました。
さらに、HIF-1αの転写調節を受ける数十種類の遺伝子から、BCL2 19 kDa関連タンパク3 (BNIP3)が網膜神経細胞死の責任遺伝子であることを解明しました。
今回の研究成果は、本邦で失明原因第1位にもかかわらず根治治療が困難である緑内障における網膜神経細胞死のメカニズムの一端を解明し、緑内障に対する新規治療法開発へつながることが期待されます。
この研究成果は、2021年7月27日(グリニッジ標準時)に学際的総合ジャーナル『The FASEB Journal』(オンライン版)に掲載されました。