慶應義塾

システム医療研究開発センター

公開日:2025.06.30
KGRI

センター長 : 洪 繁(医学部准教授)

活動拠点キャンパス : 信濃町

センター概要

「システム医療研究開発センター」では、医学部・理工学部・環境情報学部など学部組織を横断した研究チームを組織し、各参画企業群と協力し合って、医療情報を包括的に統合し、また、その共有・解析が可能になる次世代医療ICT基盤を構築するための技術開発を行います。また、網羅的分子・画像解析技術により得られる大量の医療情報を個人のヘルスケアに最大限利活用することで、国民のさらなる健康寿命延伸に貢献する医学・医療システム開発を行います。その成果を世界に向けて発信し、活力のある理想的な健康寿命百年社会(百寿社会)実現に貢献します。

キーワード・主な研究テーマ

健康長寿、百寿社会、次世代医療ICT基盤、ゲノム医療、システム医学

2019年度 事業計画

■2018年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標

2019年度も引き続き、AMED「糖鎖利用による革新的創薬技術開発事業」の分担研究を行う。また検体管理システムについては、2019年度中に実運用が開始できるように準備を継続していく(洪繁)。

遠隔医療はいよいよ保健医療として社会実装の段階に入っている。遠隔医療は医療情報のデータベース化に親和性の高い医療形態であり、遠隔医療の推進を通して、次世代医療ICT基盤を構築の促進に貢献したい(岸本泰士郎)。

これまでの各研究について多くの成果を得ている。2019年度も引き続き新しい検査項目の開発、新しい検査項目の選定と臨床的有用性を確認するための研究、臨床検査を含む臨床各科との共同研究を推進してゆく(村田満)。

当教室における様々な質量分析技術を駆使することで、がん細胞、免疫細胞の代謝特性を明らかにし、それぞれの代謝リモデリングの「作用点」を引き続き明らかにしていく(山本雄広)。

■2019年度の新規活動目標と内容、実施の背景

2019年度も、検体管理システムを慶應義塾大学病院に導入するために活動を継続する(洪繁)。

糖鎖解析システムの開発を継続する(洪繁)。

精神科領域における遠隔医療の準備委員会の委員となり、社会実装に向けて、調整等を行っていく(岸本泰士郎)。

学内の検体バンキングシステムについて医学部・病院を挙げてこれに取り組んでいる。実働に対応できるよう検査室側の整備を行ってゆく(村田満)。

本年度の研究成果より、臨床検体を用いたラマン分光学的解析からがん部あるいは非がん部における特異的な分子振動シグナルを複数同定した。2019年度はこれらの分子の同定を進めるともに、解析の対象を化学治療の奏功に相関のあるマーカー分子の探索を目指す(山本雄広)。

2019年度 事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

  1. 慶應義塾大学病院への検体管理システムの導入と運用:2015年度に開発したプログラムを慶應義塾大学病院に導入し、実際の臨床の現場で使用するための準備を行っている。2019年度には、検体管理支援部門ワーキンググループの会議を毎月開催し、今後慶應病院で検体管理システムを導入するための準備を行った。

  2. 糖鎖解析研究:国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の、平成29年度「糖鎖利用による革新的創薬技術開発事業」の研究開発提案①「我が国の技術の強みと密接な医工連携体制を活かした 標的分子探索・検証のための多角的糖鎖解析システムの構築」(研究代表者坂元亨宇)の研究を行っている。慶應義塾大学は、本事業の二つの集中研、産総研(つくば)と慶應義塾大学医学部の一つであり、本事業の臨床応用を担当する重要な役割を果たしている。2019年度は継続して研究活動を行った(洪 繁)。

  3. 遠隔で行う精神医療に関する日本医療研究開発機構(AMED)の委託研究:臨床研究等ICT基盤構築研究事業 医療のデジタル革命実現プロジェクト「遠隔精神科医療の臨床研究エビデンスの蓄積を通じたガイドライン策定とデータ利活用に向けたデータベース構築」の研究を行った。(岸本泰士郎)。

  4. 新しい検査項目の開発、新しい検査項目の選定、臨床的有用性を確認するための研究、臨床検査を含む臨床各科との共同研究:検査データの作成や専門的知識による研究支援を行っている。臨床研究のためのサンプル収集法および情報管理システム法の開発、 悪性腫瘍の微少残存病変の実用的な検査法とその効率化、標準化、尿検査の自動化と標準化、POCT( 臨床現場即時検査 ) の開発と普及、国内外の外部精度管理・精度保証の推進、LC-MS/MS による DNA メチル化定量解析、尿中ステロイド代謝物解析の開発、微生物遺伝子診断法、特に全自動遺伝子検査装置の開発等で研究成果が得られ、国内外には発信した(村田満)。

  5. メタボローム解析研究:本年度は含硫アミノ酸代謝物ヒポタウリンが大腸がん細胞の酸化ストレス耐性に寄与することを明らかにした。また、腫瘍内において親電子物質としても作用する、過硫化水素の検出系を確立し、各種細胞株および臨床検体を用いてCE-MSを用いたメタボローム解析、代謝酵素群の発現解析、ラマン顕微鏡による含硫化合物イメージング技術を組み合わせたトランスオミクス技術によってがん部・非がん部の代謝プロファイリングを調べ、がんの悪性形質獲得における含硫化合物の新規作用を探索している(山本雄広)。

公刊論文、学会発表、イベントなど社会貢献の実績

公刊論文:6件

J Telemed Telecare, J Affect Disord ほか

学会発表件数(国内・国際) : 29件(国内24件、国際5件)

イベントなどの社会貢献の実績

  • 精神科におけるAI活用の取り組み, 医療×AIセミナーシリーズ 2019年6月15日 第6回 シンポジウム「医療AIの臨床への実装とトラスト」 東京, 東京大学国際学術総合研究棟4F SMBCアカデミアホール

  • 遠隔精神医療の導入経過とガイドライン策定、機械学習を用いた精神症状定量化の試み 2019年7月10日 21世紀医療フォーラム 第4回ヘルスケア部会 東京, TKP新橋カンファレンスセンター新館

  • 情報通信技術や機械学習を用いた精神科領域におけるイノベーションの展望 2019年9月27日 山梨精神医学研究会後援会 山梨, 山梨県立図書館 多目的ホール

  • 超高齢化社会におけるIoT健康ライフ研究 2019年12月13日 第20回慶應科学技術展(KEIO TECHNO MALL 2019) 東京, 東京国際フォーラム

  • 情報通信技術を活用した精神科領域における新しい治療支援・予防技術の開発 2020年1月31日 令和元年度 次世代医療機器連携拠点設備等事業シンポジウム 東京, ステーションコンファレンス東京

プロジェクトメンバー

研究代表者

洪繁

准教授医学部 坂口光洋記念講座(システム医学)

天谷雅行

教授医学部 皮膚科学

金井弥栄

教授医学部 病理学