センター概要
「責任ある研究・イノベーション(RRI)センター」は、科学技術がもたらす社会的影響を総合的に研究し、より持続可能で包摂的なイノベーションの実現を目指す研究拠点である。RRIセンターは、倫理的 ・法的・社会的課題(ELSI)、科学技術の社会受容、ガバナンスといったテーマに取り組み、学内外の研究者、産業界、行政、市民との協働を促進し、多様な価値観を反映した研究・技術開発プロセスの構築を支援する。また、生命科学(脳神経科学、合成生物学、分子ロボティクス、再生医療、ゲノム編集など)、ロボティクス、AIなどの先端領域における社会的認識の可視化、社会実装に関する実証研究、国際的なルール形成への貢献、人材育成プログラムを展開することで、「責任ある知の創出」を牽引する中核的センターとなることを目指す。
2026年度事業計画
■2026年度の新規活動目標と内容、実施の背景
「責任ある研究・イノベーションセンター」(RRIセンター)は、急速に進展する科学技術の社会的影響を見据え、研究と社会の新たな関係モデルを提案・実装することを目的として設置される。先端科学技術の発展は大きな可能性を持つ一方で、様々な倫理的・法的・社会的課題(ELSI)への対応、社会実装における科学技術政策・制度的課題の研究と解消、幅広いステークホルダーとの協働の必要性といった様々なテーマを同時にもたらす。RRIセンターは、これらの課題に対し、幅広いELSIやインパクトの研究・可視化を行うと共に、価値創造・社会実装の過程を多様なステークホルダーと共に再設計する協働的なガバナンスを研究・推進する拠点となることを目指す。
設置の目的は主に三点である。第一に、研究開発における倫理・法制度・社会的受容(ELSI)とRRIの体系的研究を深化させ、国際的に通用する知見を創出すること。第二に、多様な知の接続を通じて、研究者・企業・行政・市民が共に未来を構想する対話型のプラットフォームを提供し、持続可能で包摂的なイノベーションを実現すること。第三に、次世代研究者・技術者・政策人材に対し、責任ある研究姿勢と社会的視座を育成する教育・研修プログラムを構築することである。
具体的な活動計画として、以下の柱を中心に展開する。
①先端技術領域(脳神経科学、合成生物学、分子ロボティクス、再生医療、ゲノム編集食品、長時間洪水予測技術、自動運転、サイバネティック・アバター、VR/XR技術、ロボティクス、AIなど)を対象としたELSI/RRIアセスメントを推進する。文献調査、定量的マスメディア分析(対応分析・共語ネットワーク分析・トピックモデリングなどを併用する)、質問紙調査、インタビュー調査(個別インタビュー・フォーカス・グループ)、参与観察、未来洞察・シナリオワークショップなどを組み合わせ、定量的・定性的両面からの実証研究を行う。そして、その成果を学術論文やガイドラインとして発信する。
②ワークショップ、シンポジウム、対話型イベント、地域連携型プログラムを開催し、社会の多様な声を研究開発に反映させる「市民参加型RRI」の実装を図る。シリアスゲームなどのコンテンツ作成なども視野にいれ、幅広い層が参加しやすい対話の場を創出する。
③大学院生・若手研究者を対象としたRRI教育、企業・行政向けの研修プログラム、国際共同教育の推進を行い、多分野を横断できる人材基盤を形成する。第四に、国内外の大学・研究機関、産業界、政策機関、国際学会と連携し、国際ルール形成や政策提言に貢献する。特に、アジア地域のSTIガバナンスに関する比較研究を通じ、グローバルなRRIモデルの構築を目指す。
設置期間
2026年4月1日~2027年3月31日
