研究概要
地球温暖化の進行や国際情勢の不安定化など、人びとが直面する課題が複雑化を増す一方、企業も事業活動を通じた社会課題の解決や、自社のみでは解けない課題に共創的アプローチで取り組んでいく必要性が高まっている。このように「社会性」と「経済性」の両立が求められるこれからの企業経営や事業創造において、経済-社会-生態システムの関係性に着目して根本的な変革を目指すイノベーション創出手法である「システミックデザイン」に期待が寄せられている。
慶應システミックイノベーション・センター(以下、本センター)は、システミックデザインによって学知と社会およびビジネスの実務課題を繋ぐことにより、本手法の社会実装と事業共創の場を提供するとともに、多様なアクターによるシステミックデザインの研究・実践的活動を行う。
この目的の達成のため、産学の連携によって、下記の取り組みを中心に活動を行う。
1システミックデザインに関する研究・実践的活動
(1)システミックデザインの社会実装に向けた各種プロジェクトの実施
(2)特定テーマを定めた共創プログラムの実施
(3)企業との産学連携プロジェクトの実施
(4)システミックデザインの方法論研究
2システミックデザインに関する啓発活動
(1)勉強会、講演会、セミナー等の開催
(2)その他、本センターの目的達成のために必要な事業
2026年度事業計画
■2026年度の新規活動目標と内容、実施の背景
サブプロジェクト:行動システムアプローチを応用したデザイン手法の開発(DNP)
2026年度は、(1)先行研究分析・評価と行動システムアプローチの基盤構築と、(2)行動システムマッピング法の発展可能性の検討を目標とする。
(1)については、行動科学とシステム思考を統合する既存研究や手法の分析と適用状況の把握(文献レビュー)、行動システムマッピング法の有効性を検証し、(2)については、行動システムマッピング法のCOM-B行動変容フレームワークに他の行動デザイン手法を補う可能性検討と、現状の行動システムアプローチに因果ループ図以外のシステミックデザイン・ツールを組み合わせる効果を検討する。
サブプロジェクト:ご近所イノベーションに関する調査研究及び運営業務委託
事業開始から13年を経て、都市のソーシャルキャピタルと住民の主体的な地域参加の必要性はさらに増している。
本事業の成果として200名以上の修了生がおり、豊かな暮らしの基盤となる都市コモンズを共創するコミュニティに発展するポテンシャルを持つ。
それに向け2026年度は、引き続き修了生のネットワーキング、区民参画組織や芝の家、ご近所ラボ新橋をはじめとした他の事業への主体的参画の機会の提供に重点を置いた活動を行う。
