慶應義塾

行動システムアプローチを応用したデザイン手法の開発

公開日:2026.06.08
KGRI

研究概要

近年、ナッジ等の個人焦点の行動変容施策は、政策や組織の実践で広く用いられてきたが、その限界が指摘されている。複雑化する組織及び社会課題においては、行動の背景にある制度・組織構造・技術・社会規範などのシステム的な側面が十分に考慮されておらず、その結果、施策の効果が限定的にとどまる傾向がある。また、個人への行動責任の過度な負担や、行動介入による意図しない結果を招くケースもある。このような課題を踏まえ、行動インサイトとシステムインサイト視点を統合した新たなアプローチが求められている。

本研究は、行動変容を個人レベルに限定せず、組織・制度・技術・文化を含む「行動システム」として捉え、俯瞰的な視点から行動変容を促す新たなデザインアプローチの構築を目的とする。過去の研究成果である行動デザインツールや、行動変容と制度変革を統合デザイン手法の知見やノウハウを活用し、行動デザインとシステミックデザインを統合するとともに、複雑な組織課題に対応可能な実践手法の開発を目指す。

2026年度事業計画

■2026年度の新規活動目標と内容、実施の背景

2026年度は、(1)先行研究分析・評価と行動システムアプローチの基盤構築と、(2)行動システムマッピング法の発展可能性の検討を目標とする。

(1)については、行動科学とシステム思考を統合する既存研究や手法の分析と適用状況の把握(文献レビュー)、行動システムマッピング法の有効性を検証し、(2)については、行動システムマッピング法のCOM-B行動変容フレームワークに他の行動デザイン手法を補う可能性検討と、現状の行動システムアプローチに因果ループ図以外のシステミックデザイン・ツールを組み合わせる効果を検討する。

プロジェクトメンバー

研究代表者

武山 政直

教授経済学部経済地理,サービスデザイン

津久井 かほる

連携所員KGRIサービスデザイン