8月28日(金)、日吉キャンパスにおいて、今年で5年目となる「慶應義塾SDGs会議――2026塾生会議 サマー・キャンプ」を実施しました。慶應義塾の一貫教育校の小中高生から大学生まで約50名が集い、ディスカッションを通じてSDGs実現、さらにその先の理想の姿について考えました。
「塾生会議」は、全学部から選抜された大学生が参加する通年のプログラムです。春学期は専門家のレクチャーを聞いてインプットを増やし、ヴィジョン・目標・ターゲットを議論、秋学期は慶應義塾のSDGsとして実現するアクションを検討し、最終的にまとめた提言を塾長に手渡します。2つの学期の間に実施するサマー・キャンプでは、一貫教育校生と議論をします。ここで生まれる斬新なアイデアや思いがけないアクションの提案が、秋学期の塾生会議で共有され、最終提言に繋がっていきます。
キャンプ冒頭、奥田暁代常任理事は、春学期の石川善樹氏のレクチャーに触れ、現在直面する課題の解消だけをめざすのではなく、今ある正の遺産を将来世代にどう引き継ぐのかといったウェルビーイングの視点にも着目しようと呼びかけました。
続いて、伊藤公平塾長は、ネパールで直近に起こった氷河融解による大洪水を伴う気候変動の現状、そして、スタンフォード大学の校訓「自由の風が吹く」を取り上げ、米国における学問の自由をめぐる現状に言及し、持続可能な世界について考える重要性を再確認しました。また、塾生会議のスーパーバイザー、政策・メディア研究科の蟹江憲史教授から、日々のなかの「もやもや」が身近な課題解決の源泉であり、今回はその視点も取り入れて議論してはどうか、との新たな提案がありました。
今年は、キャンプの運営方法にも新たな取り組みを導入しました。昨年までは、参加者は午前と午後でディスカッションのグループ替えを行い、多様な参加者が複数のテーマについて考えることを重視していました。今年は、各自が一日を通じて同じグループで1つのテーマを深掘りし、午前は目標、午後はアクションについて議論しました。グループ内での信頼関係も深まった様子が窺え、新しいことに挑戦することで、新たな帰結を得られることは、教育的な観点からも重要な学びとなりました。
午前は、「慶應義塾が2050年に目指すべき姿」をテーマに、「環境」「社会」「経済」「パートナーシップ」の4つのグループに分かれて議論しました。昼食を挟んで午後のディスカッションでは、午前中に挙げた「目指すべき姿」に対して、「学校や慶應義塾がそれを実現するためのアクション」について検討しました。参加者が熱のこもった議論をしているあいだ、各一貫教育校の教員も別の教室に集まり、塾生会議プロジェクト代表を務める小林宏充法学部教授の司会のもと、各校でのSDGsの取り組みや今後の連携について協議しました。
議論の後、各グループから、「キャンパスの居心地のよさの向上」「慶應義塾が創出できるパートナーシップ」「在学生のウェルビーイングを守ることで、SDGsの達成につなげる」などのアイデアが発表されました。これに対して活発な質疑応答が繰り広げられ、最後に、自然科学研究教育センター岡本昌樹所長によるフィードバックののち、サマー・キャンプは閉会となりました。