国際的な学術誌『Nature』編集長のマグダレーナ・スキッパー博士の来訪に続き、4月23日(木)、その版元である国際的な学術出版社「Springer Nature」の最高経営責任者(CEO)を務めているフランク・ブランケン・ピーターズ氏が来訪し、伊藤公平塾長と意見交換を実施しました。
慶應義塾の開校記念日に実施されたこの懇談では、慶應義塾の創設以来の歴史とオランダとの深い学術的つながりについて紹介されました(ピーターズ氏はエラスムス・ロッテルダム大学で経営学修士号(MBA)を取得しています)。慶應義塾は1858年の創設以来、創立者である福澤諭吉が蘭学を学び、オランダをはじめとする欧州の学問を取り入れた歴史を有しており、現在に至るまで国際的な学術交流を重視してきたことが伊藤塾長より説明されました。
続いて、近年の学術出版を取り巻く国際的環境について活発な意見交換が行われました。特に、科学出版や研究成果の発信が社会や政策形成に与える影響や、国や地域によっては科学的内容が政治的議論と結びついてしまう事態をめぐって、出版社やメディアの立場からピーターズ氏の様々な経験が紹介されました。また、科学や技術に関する報道や指標が各国の研究政策や研究資金配分に与える影響についても意見が交わされました。
さらに、日本および欧州における研究者育成の課題についても議論が行われました。博士課程学生の支援体制や待遇の在り方、国際的な人材の受入れ環境の整備、若手研究者のキャリア形成支援の重要性などが話し合われ、研究力強化に向けた国際的な連携の必要性が確認されました。
この意見交換を通じて、学術出版と大学が果たす役割の重要性を再認識するとともに、今後の国際的な研究・教育連携の可能性について理解を深める機会となりました。