2025年度の「日吉キャンパス公開講座」が全日程を終了しました。本講座は、1980年に始まった横浜市民大学講座を前身とし、現在は慶應義塾大学教養研究センターが主催しています。毎回会場が満席になる、知る人ぞ知る人気の講座です。
今年度は、「自然と人工」をテーマに、10月から11月にかけて、全5日間(1回2コマ、計10講座)の授業を開講しました。「自然」と「人工」はしばしば二項対立的に扱われますが、たとえば、身体に埋め込まれる人工関節のように、「自然」と「人工」は時に不可分な存在でもあります。本講座では、気鋭の研究者から映画監督にいたるまで、その道の専門家が「自然と人工」をめぐる学術的知見と課題、歴史や文化、物語の背後にある事実などについて語り、毎回300名ほどの参加者が熱心に耳を傾けました。
最終回となる11月29日には、全5日のうち3日以上出席した受講者に修了証が授与され、講座は大きな拍手に包まれながら幕を閉じました。教養研究センターでは、来年度も、時代を映すテーマを据えて、多彩な講師陣による公開講座を開講する予定です。
2025年度日吉キャンパス公開講座 プログラム
10月4日
北斎とサイエンス-幕末浮世絵師の事例より-
内藤正人 慶應義塾大学文学部教授/慶應義塾大学アート・センター所長
自然と人工で考える、身体活動・運動・スポーツと健康
小熊祐子 慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授
10月25日
女性型人造人間が登場するフィクションから女性の人工美を考える
新島 進 慶應義塾大学経済学部教授
「地球」/「地表」を描く「地図」-「地図の力」と「地図のレトリック」-
太田 弘 日本地図学会評議員/元慶應義塾普通部教諭、学術博士
11月8日
アオウミウシを育ててみた!-自然を感じ、観察する-
林 牧子 慶應義塾大学経済学部助教
物質・材料と自然・人工
井奥洪二 慶應義塾大学経済学部教授/慶應義塾大学自然科学研究教育センター
11月15日
米大陸を放射能汚染から救った歯の抜けた子どもたちの物語(映画上映と講義)
伊東英朗 ドキュメンタリー映画監督
11月29日
資源植物×科学技術が切り拓く、持続可能なゴムの未来
栗原恵美子 慶應義塾大学商学部助教
再生医療の現状と未来-iPS細胞を用いた神経難病への挑戦-
岡野栄之 慶應義塾大学再生医療リサーチセンター教授/センター長
撮影:岸 剛史 ほか