2025年9月30日(火)、慶應義塾大学三田キャンパス北別館において、「学校法人慶應義塾と株式会社かんぽ生命保険との連携・協力に関する覚書」に基づく全体会合が開催されました。今回の全体会合は、昨年に続く2回目の開催となります。
本会合には、株式会社かんぽ生命保険(以下、かんぽ生命)のほか、大和かんぽオルタナティブインベストメンツ株式会社、かんぽNEXTパートナーズ株式会社、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)といった関連企業も出席しました。
慶應義塾からは、伊藤公平塾長をはじめ、斎木敏治常任理事(研究担当)、グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)所長の中妻照雄教授らが出席しました。
[開会挨拶]
冒頭、伊藤公平塾長が、慶應義塾の理念である「独立自尊」と「実学」の精神を踏まえ、知の実践を通じて社会課題に取り組む姿勢を述べ、かんぽ生命との幅広い連携への謝意を示すとともに、教育・研究・産学連携をつなぐ拠点としての北別館の役割にも触れました。
続いて、かんぽ生命 取締役兼代表執行役社長 谷垣邦夫氏より、昨年に続いて全体会合を開催できたことへの喜びが述べられ、慶應義塾との協力関係を一層深めていきたいとの意向が示されました。
[連携の進捗報告]
次いで、慶應義塾とかんぽ生命の連携・交流実績について報告がありました。
山岸広太郎副理事は、覚書締結以降の連携実績と今後の方向性について報告しました。イノベーション・エコシステムの形成や、日本学術振興会「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の一環として行われている人材育成プログラムを通じた連携実績を紹介し、産学連携を通じた社会課題解決に向けた着実な進展を示しました。
星野崇宏教授(経済学部/KGRI副所長)が、KGRI内に設置された「課題ワンストップ受入解決ユニット(I&Aユニット)」の取組を紹介しました。本ユニットは、同じくJ-PEAKS事業の一環として、かんぽ生命との協働契約に基づいた“おひとりさま高齢者”へのサポート体制強化など、社会課題の解決に資する活動を進めています。
[セッション① 長寿社会と金融]
第一のセッションでは、日本が迎える長寿社会における金融・保険の課題が取り上げられました。
まず、かんぽ生命 保険金サービス部長 古澤崇郎氏からは、現場に根差した問題意識として、高齢化が進む契約者層への対応とアフターフォロー強化の必要性が示されました。
続いて、駒村康平教授(経済学部/ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター センター長)は、認知機能低下が経済活動に与える影響を踏まえ、福祉と金融の連携による「金融包摂」の仕組み構築の重要性を強調しました。
さらに、岸本泰士郎教授(医学部 医科学研究連携推進センター)は、AIや自然言語処理を活用した認知症リスク評価技術を紹介し、産学医工連携による金融包摂の可能性を示しました。
[セッション② 産学連携の可能性]
第二のセッションでは、大学発スタートアップの創出をめぐり、産学連携の展望が議論されました。
まず、新堂信昭特任教授(イノベーション推進本部 本部長)は、慶應イノベーション・イニシアティブとの連携を含めた「慶應スタートアップインキュベーションプログラム(KSIP)」の取組の進展について報告しました。
続いて、かんぽ生命 専務執行役 春名貴之氏からは、同社による大学シーズへの投資状況や人材循環を視野に入れた産学連携施策について紹介がありました。
[今後に向けて]
今回の全体会合を通じて、慶應義塾とかんぽ生命を中心とする協力体制が着実に進展していることが確認されました。両者は今後も、産学連携をより一層推進し、日本社会の課題解決と持続可能な未来の実現を目指して取り組んでいきます。
撮影:竹松 明季