慶應義塾は、現在全国に義塾所有山林や国有林分収契約山林をあわせ約160ヘクタールにおよぶ山林を保有し、植林・育林活動を行っています。これらの活動を支援する目的で2001年に発足した「福澤育林友の会」主催による「森を愛する人々の集い」が、2022年6月5日(日)に三田キャンパス東館G-Lab.にて開催されました。昨年度は新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、Zoomウェビナーで開催されましたが、今回は対面での開催となり、福澤育林友の会の会員に限らず、学生を含めて約50名の参加がありました。
21回目となる今回の講演会は、日本総合研究所シニアスペシャリストで山水郷ディレクターの井上岳一氏を迎え、「森と人のこれから~山・水・郷がひらく未来~」をテーマに、講演を行いました。
森はたんなる木材工場ではなく、人が生きるために必要なものが揃っている究極のセーフティネットであるという切り口から始まった本講演では、地域の特性を生かした新しいエネルギーのあり方や、いままでにない仕事や暮らしを創造する方々について紹介されました。井上氏自身が直接現地に出向き、ふれあい、体験されたエピソードには実感がこもっており、参加者も普段あまり知る機会のない取り組みに興味津々でした。また、若者がコロナ禍においてあえて都市や学校を離れ、地方での活動に熱意をもって主体的に取り組んでいる事例も紹介され、幅広い広がりと示唆に富んだ内容の講演となりました。
残念ながら懇親会の開催は見送りとなりましたが、終始和やかな雰囲気で閉会となりました。