慶應義塾

海外大学院で活躍する Keio University Global Fellow 2020からの報告

公開日:2021.02.18
広報室

2021/02/18

慶應義塾は「石井・石橋基金 慶應義塾教育研究発展事業」の一環で、私費留学に対する助成事業「慶應義塾大学グローバルフェローシップ(私費留学助成)」を行っています。

これは、本学の学部または大学院を卒業・修了し、海外の大学院に学位取得を目的として進学する学生を慶應義塾が応援する制度です。

選考は、留学目的、学修・研究計画、学業成績等をもとに行われ、"Keio University Global Fellow"として採用された学生には、留学にかかる学費・生活費等として最大500万円が支給されます。慶應義塾が進めるスーパーグローバル事業の核となる重点領域(長寿、安全、創造)を念頭に、世界を舞台に活躍できる人材をこれまで以上に国際社会に輩出していくため、海外の大学院への進学にチャレンジする優秀な学生をサポートしています。

以下は、"Keio University Global Fellow 2020"に選ばれた4名による留学先からの報告です。

奥村 晶 君

理工学研究科修士課程修了(2020年3月)

留学先:アーヘン工科大学(ドイツ)

現在私はドイツ・アーヘン工科大学の博士課程に在学し、博士号を取得することを目的に無機化学について研究しています。特に、新規な金属錯体を合成し、それらを用いて二酸化炭素や窒素などの小分子を活性化することを研究テーマとして、日々実験に取り組んでいます。研究室には様々な国からの学生、ポスドクがおり、議論や交流を重ねる毎日を過ごしております。

また、アーヘン工科大学は慶應義塾大学の協定校の一つであり、理工学部と60年以上にも亘って交流してきた大学です。

今年度はコロナ禍での留学となって、ロックダウンなどさまざまな行動が制限されてしまい不安に思うことも多いですが、本助成金のご支援のおかげで金銭的な心配をすることなく研究に専念することができています。心から感謝申し上げます。

日々の実験に使っている装置。「グローブボックス」といい、不活性ガス中での実験操作を可能にします。私の研究対象である金属錯体は空気中の水分や酸素と反応し分解してしまうため、グローブボックスが必要不可欠です。
学科の建物のエントランスにて
クリスマスの時期の大学のメインビルディング

鴨井 遼 君

理工学部卒業(2020年3月)

留学先:テキサス大学オースティン校(米国)

私はテキサス大学オースティン校のコンピュータ科学修士課程に在籍しています。機械学習の中でも文章を対象とする自然言語処理を研究しており、特に学術的な文章への適用などに注目しています。テキサス大学オースティン校は機械学習分野で世界トップレベルの大学であり、私と近い分野を研究する研究者や学生が多く在籍していることが魅力です。現在はコースワークが中心ですが、論文の輪読や研究プロジェクトを行う授業を多く履修しています。来年度には修士論文の執筆に向けて研究をより重視する予定です。新型コロナウイルスの影響で現在も授業はリモートで行われており、2020年秋学期は日本から授業を受けていましたが、2021年春学期からオースティンに渡航しています。

本奨学金に学費や生活費の大部分をお世話になっており、経済的な不安を持たずに学業に集中することができています。このような貴重な機会を頂けたことに感謝しています。

大学のシンボルであるUTタワー
大学の寮。授業はリモートなので主に寮の部屋から受けています。
コンピュータ科学学科の校舎。現在はほとんど行くことはありません。

田中 恵美 君

理工学部卒業(2020年3月)

留学先:カリフォルニア大学バークレー校(米国)

私は米国のカリフォルニア大学バークレー校博士課程において、未来の医療・メモリーデバイスのための技術を生み出している研究室で、新たな物質の開発を行っています。医療工学だけでなく、女性の理系教育の推進やイノベーションにおける社会的公平を導く研究者になる目標のために、私はデバイス物理学を専攻し、コンピューターサイエンス教育とメディア情報学を副専攻としています。世界中から集まった知性と好奇心溢れる学生や教員たちと学び合いを重ねられる環境で、日々幸せです。

このようなご時世でも夢の博士課程生活を金銭的な不安なく、健康かつ充実して過ごせているのは本助成のご支援があってのことです。この場を借りて、心から感謝いたします。

晴れの日のキャンパス。坂道が多くても、たくさんの自然と美しい建物で癒されます。
ハロウィン前のスーパーには大きなカボチャがたくさん並びます。感染予防のため、マスクなしでは入店できないという厳しいルールも。
理系の博士課程の女性たちが集まるWICSE (Women in Computer Science and Engineering)の毎週のミーティングの様子

千葉 竜弥 君

理工学部卒業(2020年3月)

留学先:ジョンズ・ホプキンス大学(米国)

私はジョンズ・ホプキンス大学化学科の博士課程で、特殊な電子状態を持つナノクラスター負イオンの振る舞いを研究しています。表面や溶媒分子の影響の全くない気相中での化学状態を探る基礎研究です。理学は工学の基盤であり、かねてより取り組みたいと思っていた純粋な学問としての化学に携わることができ、嬉しく思います。研究室には各国から優秀な学生が集まっており、ブラウン大学やコロンビア大学の関連する研究室とも活発に情報交換が行われる研究には最適な環境です。新型コロナの影響で入学以来制約も多いですが、状況が日々変わる中でも金銭面での不安なく勉学と研究に励むことができるのは本奨学金のおかげであり、心から感謝しています。

研究室の先輩と
ジョンズ・ホプキンス大学ホームウッドキャンパス
ボルチモアのインナーハーバー

※「石井・石橋基金 慶應義塾教育研究発展事業 慶應義塾大学グローバルフェローシップ(私費留学助成)」の2021年度留学予定者を対象とした募集は終了しました。2022年度留学予定者を対象とする募集は、2021年秋頃行われる予定です。

(本事業事務局:塾長室企画担当)

(参考)