今月のサイエンス - 2024年11月
Ann Rheum Dis.
Hiroya Tamai, Kei Ikeda, Toshiaki Miyamoto, Hiroaki Taguchi, Chang-Fu Kuo, Kichul Shin, Shintaro Hirata, Yutaka Okano, Shinji Sato, Hidekata Yasuoka, Masataka Kuwana, Tomonori Ishii, Hideto Kameda, Toshihisa Kojima, Yurie Nishi, Masahiko Mori, Hideaki Miyagishi, Genta Toshima, Yasunori Sato, Wen-Chan Tsai, Tsutomu Takeuchi, Yuko Kaneko; MIRACLE Study Group
メトトレキサート(MTX)は各種標的治療薬が使用可能な現在においても関節リウマチ治療におけるアンカードラッグである。血液中に取り込まれたMTXは速やかに細胞内へ移行しポリグルタミル(PGs)化され、細胞内に留まりその効果を発揮する。本研究は本学が中心となりエーザイ株式会社と共同で行った、日本・韓国・台湾における関節リウマチ患者に対するランダム化比較試験「MIRACLE試験」における、赤血球中のMTX-PGs濃度に関する報告である。本試験では12週までにMTXを最大耐用量まで増量し以降は同量MTXを継続したが、赤血球中MTX-PGs濃度は12週以降も24週にかけて上昇を続け、MTX-PGs濃度高値はMTXの有効性および代表的な有害事象である肝障害と関係する事を示した。また、MTX-PGs濃度は低腎機能、低Alb、低BMIで有意に上昇していた。近年、関節リウマチ患者の高年齢化が進んでおり、赤血球中MTX-PGs濃度を活用した治療の最適化が期待される。
本試験を支えて下さった学内外の先生方、解析にあたりご指導をいただきました生物統計部門の佐藤泰憲教授、十島玄汰先生にあらためて感謝を申し上げ、さらなる研究に励んで参ります。
(リウマチ・膠原病内科 玉井博也 91回)