今月のサイエンス - 2019年12月
Acta Neuropathol.
2019 Oct 23. doi: 10.1007/s00401-019-02082-0.
Yoshihiro Nihei, Kohji Mori, Georg Werner, Thomas Arzberger, Qihui Zhou, Barham Khosravi, Julia Japtok, Andreas HermannAndreas Sommacal, Markus Webe, German Consortium for Frontotemporal Lobar Degeneration, Bavarian Brain Banking Alliance, Frits Kamp, Brigitte Nusche, rDieter Edbauer, Christian Haass
9orf72遺伝子 イントロン 1 内の 6 塩基(GGGGCC)リピート配列の異常伸長は、白人の孤発性および家族性筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭型認知症の最も頻度の高い遺伝子変異である。この異常伸長は、開始コドンを介在しないリピート関連性翻訳(RAN translation)によって5種のジペプチドリピート蛋白(DPR)を生産し、これが神経毒性に重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、DPRのうち患者脳で最も高頻度に確認されるpoly-GAが、DNA二重鎖切断(DSB)の修復に重要な役割を果たすpATMを細胞質で捕捉して、核内への移動を阻害していることを確認した。更にpoly-GAは、リピートRNAの分解に働いていると考えられるhnRNPA3とも細胞質で共局在しており、これによる核内hnRNPA3の減少がリピートRNAおよびDPRの更なる発現増加を引き起こしていると考えられ、この悪循環がDSB修復障害を増悪して神経細胞死を引き起こすと考えられた。今回の知見は、DNA修復障害をターゲットとした治療法の開発において重要なものと考えられる。
(神経内科/独DZNE munichに留学中 二瓶義廣 内83相当回)