慶應義塾

「○○好き」で刺激しあう知

公開日:2023.04.02

登場者プロフィール

  • 梶村紗里奈

    文学研究科 英米文学専攻 修士課程1年(2023年現在)

    梶村紗里奈

    文学研究科 英米文学専攻 修士課程1年(2023年現在)

皆さんは、歴史は好きでしょうか。私は好きです。

今は英米文学専攻で学んでいる私ですが、学部生の頃は西洋史学専攻の所属でした。そこで出会ったのが、250年ほど前のイギリスを生きた「歴史好き」であるジョーゼフ・ストラットです。彼は自国の歴史の研究を趣味とし、その成果をまとめていくつかの本を出版しました。彼の作品を読んでいると、人間の好奇心や情熱といったものの凄さに驚かされます。ストラットの本業は版画を彫る職人で、けっして裕福ではなく、歴史研究だけにかかりきりになれるような生活状況ではありませんでした。それでも、「歴史が好き」という気持ちを出発点に、人は何万字もの文章を書くことができるのです。

現在私は、学部生時代に学んだ歴史学の知識を活かしつつ、文学研究の視点を軸にストラットが後世に残したレガシーを探る調査を進めています。ストラット作品は、彼の版画職人としてのキャリアを反映し、挿絵がとても多いのが特徴です。美術史や図像学の知見も援用し、ストラットが19世紀以降のイギリスの歴史観にどのような影響を与えたのかを探っていきます。

文学研究科はとてもおもしろい学び舎です。所属している院生それぞれが深く関心のある分野をもつ、いわば「○○好き」の集まりです。一見自分の研究とは関係のなさそうなテーマでも、よく聞いてみると思わぬ発見があったりします。逆に、自分の知っていることを話してみると、それが誰かのひらめきにつながることもあるのです。この学びあいの醍醐味は、何にも代えがたいものです。皆さんは、私に何を聞かせてくれますか?