慶應義塾

石垣 和慶

イシガキ カズヨシ

医学部 微生物学・免疫学教室 教授

連絡先

研究概要

ヒトは常にウイルス・細菌などのさまざまな異物にさらされています。健常な免疫システムの下では異物と自己組織が適切に区別され、異物だけが免疫システムによって排除されます。一方、病的な免疫システムの下では、自己組織に対する免疫反応が活性化され多臓器障害が生じます。このような病態の総称が自己免疫疾患です。自己免疫疾患は、人口の約1割が生涯に罹患するありふれた疾患ですが、その発症リスクには個人差が大きいことが知られています。また、分子標的薬の登場によって自己免疫疾患の臓器予後は平均的には改善しましたが、治療反応性にも大きな個人差があり、治療が効かずに臓器障害が進行する症例も多いのが現状です。このような免疫現象の個人差にはゲノム配列の個人差(多型)が強く関与します。従来の免疫学は疾患モデル動物を用いて飛躍的な進歩を遂げましたが、ヒト疾患の発症の根本的原因や、病態の個人差が形成される機序を解明するためには、ヒト免疫学と遺伝学を融合した新しい視点から自己免疫疾患の病態を見直すことが重要です。このような背景から我々の研究室は、自己免疫疾患のリスク多型の免疫学的メカニズムを詳細に解明することを目的に、T細胞受容体、転写因子、遺伝子発現制御システム、サイトカイン経路活性などに注目した多角的な研究を展開してきました。現在、ゲノム編集技術を実装したリスク多型の機能を網羅的に評価する新しい実験技術の開発を進めています。また、臨床検体のマルチオミックスデータを活用した新しい解析技術の開発も進めています。これらの研究活動を通して自己免疫疾患の病態解明を加速させ、新しい創薬標的を同定することが我々の最終目標です。

専門

自己免疫疾患、免疫遺伝学、生物情報学

論文指導資格

医学研究科における論文指導資格

修士/博士

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