慶應義塾

大嶋 えり子

オオシマ エリコ

経済学部 准教授

研究概要

技術の発展で外国語の習得が不要と思われるような場面も出てきました。とりわけ機械翻訳は便利です。ただし、外国語か第一言語かにかかわらず、「インターネット上のSNSで行き交う言葉は基本的に即時の応答を前提としており、そのようなコミュニケーションは言葉を理解し発話するために必要だった筈の、遅延と逡巡の時間に対する感覚を奪いつつある」と田中純は書いています(「詩という謎語をめぐって」、石井洋二郎編『リベラルアーツと外国語』水声社、2022年)。2019年にアカデミー・フランセーズの会員に選出されたバルバラ・カッサンも、就任演説で「主な作品が補助金申請である、言語でさえない単なるコミュニケーションの道具のグローバル・イングリッシュ」に抵抗する必要性を訴えています(Discours de réception de Mme Barbara Cassin)。カッサンは英語に対抗しているのではなく、英語であれ、他の言語であれ、即時的な実用性のみを重視することを批判しているのです。時間をかけて新たな言語に接触したことで豊かになった言語経験は、私たち一人ひとりをより自由にしてくれるでしょう。

専門

フランス政治、移民政策、植民地支配の記憶

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