慶應義塾

田屋 英俊

タヤ ヒデトシ

経済学部 助教(有期)

研究概要

研究紹介: この世界を構成する最小要素である素粒子とその力学法則(素粒子物理学の標準模型)に基づき、理論物理学の視点から、わたしたちの世界の成り立ちを調べたり、新しい現象を探索/予言する、という研究を行っています。特に、「極限環境」、例えば、ビッグバン直後にあるような数兆度の超高温状態やLEDライトの1溝倍(1京倍のさらに1京倍)くらい非常に強い光、といった極端な物理系は、微視的な素粒子の自由度・力学が顕在化する興味深い研究対象です。極限環境は、重イオン衝突実験や高強度レーザー実験、あるいは物性系で実現されるアナログ系、などで実現することができ、そうした現実の実験データとの関係も重視しながら研究を展開しています。 メッセージ: 物理学は「モノ(=物)」の「コトワリ(=理)」を理解する学問です。私は今カフェでこの作文を書いていますが、周りを見渡すと、パソコンやコーヒー、よくわからないオブジェ、横に座っているおじさんなど、数えきれないほどのいろんな「モノ」で溢れています。一見、共通性のないように見えるこれらたくさんの「モノ」ですが、物理学によれば、たかだか20弱の種類の素粒子という共通の「コトワリ」によって説明できると(まだ完全な解明には至ってはいませんが)考えられています。今挙げた例は、物質的な意味の「モノ」ですが、物理学の言う「モノ」は必ずしもそれに限りません。例えば、物理学の考え方は、経済の発展や渋滞のでき方などのさまざまな種類の「モノ」に適用できることも知られています。このように一見複雑ないろいろな「モノ」の背後にある本質を見極めることで、普遍的な法則「コトワリ」を見出す。そうすることで、わたしたちの視野・世界観を押し広げ、また、より豊かな社会を築くための実用/応用の基礎を作るのが物理学だと思います。自分自身の経験でもあるのですが、高校までの物理では、数学や公式の暗記などの物理学の必ずしも本質的でない部分に惑わされることが少なからずあったと思います。大学では講義などを通じて、こうした物理学の営みや考え方自体といった本質的なところに触れていただければ幸いで、そのための一助ができれば、と考えています。

専門

理論物理学(特に、素粒子・原子核物理)

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