登場者プロフィール
岡村 和美(おかむら かずみ)
前消費者庁長官1980年早稲田大学法学部卒業。88年ハーバード・ロースクール修士。89年米国ニューヨーク州弁護士登録。97年モルガン・スタンレー・ジャパン法務部長。2000年検事任官。金融庁、最高検察庁を経て2014年法務省人権擁護局長。16年8月~19年7月まで消費者庁長官。
岡村 和美(おかむら かずみ)
前消費者庁長官1980年早稲田大学法学部卒業。88年ハーバード・ロースクール修士。89年米国ニューヨーク州弁護士登録。97年モルガン・スタンレー・ジャパン法務部長。2000年検事任官。金融庁、最高検察庁を経て2014年法務省人権擁護局長。16年8月~19年7月まで消費者庁長官。
冨永 愛(とみなが あい)
ファッションモデル17歳でNYコレクションにデビュー。以後約10年間にわたり、世界の第一線でトップモデルとして活躍。その後、拠点を東京に移し、モデルの他、テレビ、ラジオ等のパーソナリティなどとして活躍。本年5月、消費者庁エシカルライフスタイルSDGsアンバサダーに就任。
冨永 愛(とみなが あい)
ファッションモデル17歳でNYコレクションにデビュー。以後約10年間にわたり、世界の第一線でトップモデルとして活躍。その後、拠点を東京に移し、モデルの他、テレビ、ラジオ等のパーソナリティなどとして活躍。本年5月、消費者庁エシカルライフスタイルSDGsアンバサダーに就任。
髙橋 巧一(たかはし こういち)
株式会社日本フードエコロジーセンター代表取締役1992年日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。経営コンサルティング会社、環境ベンチャー、株式会社小田急ビルサービス環境事業部顧問を経て現職。一般社団法人全国食品リサイクル連合会会長。2018年第2回ジャパンSDGsアワード SDGs推進本部長賞を受賞。
髙橋 巧一(たかはし こういち)
株式会社日本フードエコロジーセンター代表取締役1992年日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。経営コンサルティング会社、環境ベンチャー、株式会社小田急ビルサービス環境事業部顧問を経て現職。一般社団法人全国食品リサイクル連合会会長。2018年第2回ジャパンSDGsアワード SDGs推進本部長賞を受賞。
蟹江 憲史(司会)(かにえ のりちか)
健康マネジメント研究科 教授塾員(1994総、2000政・メ博)。博士(政策・メディア)。北九州市立大学法学部助教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授等を経て2015年より現職。内閣府地方創生推進事務局「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」幹事等を務める。
蟹江 憲史(司会)(かにえ のりちか)
健康マネジメント研究科 教授塾員(1994総、2000政・メ博)。博士(政策・メディア)。北九州市立大学法学部助教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授等を経て2015年より現職。内閣府地方創生推進事務局「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」幹事等を務める。
2019/08/05
サステナブルな消費への取り組み
今日は持続可能(サステナブル)な消費をテーマに皆さまと話していきたいと思います。この問題でよく取り上げられるのは、まず「食」の分野ではフードロス(食品廃棄)です。ちょうど「食品ロス削減推進法」という法律も本国会で成立したところで、これからいろいろな取り組みが進んでいくと思います。髙橋さんはこの分野でジャパンSDGsアワードの大賞を昨年取られていて、その事業が大変注目されています。
それから、やはりわれわれが身近に感じるのはファッション分野です。「エシカルファッション」という形で、地球に優しく、持続可能なファッションが理解されつつありますが、この5月にファッションモデルである冨永さんが消費者庁の「エシカルライフスタイルSDGsアンバサダー」に就任されました。冨永さんのような有名な方にこうした課題をしっかり取り上げていただき、「エシカルファッション」「サステナブルなファッション」を世の中の人におしゃれなものと認識してもらうことはとても大事だと思います。
そして、そういったサステナブルな消費、エシカル(倫理的)な消費を行政から牽引していらっしゃる岡村さんの役割は大変重要なものだと思っています。
まず、岡村さんのほうから消費者庁の取り組みについて簡単にご説明をお願いできますか。
消費者庁では、「エシカル消費」というものを、消費者基本計画の中で、「地域の活性化や雇用なども含む、人や社会、環境に配慮した消費行動」としています。さらにもう少しわかりやすく、「消費者それぞれが、各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」として啓発をしています。
その中でお話がありましたように本国会で、「食品ロス削減推進法」が成立しました。これは半年以内に施行されますが、消費者庁では、関係省庁と連携して、すでに食品ロスについては大きな行動を起こしています。2013年にはロゴマーク(ろすのん)をつくり、全国的な啓発活動を始め、2、3年前ぐらいから、フードロスについての報道も増えてきています。
そうした機運が高まり、全会一致で食品ロス削減を推進する法律ができました。毎年10月が食品ロス削減の月間ですので、今年の10月を目標に具体的な施行準備を固めるため、今、動きだしているところです。
食品ロスの現況は現在、年間643万トン(2016年)で、そのうちの約半分は家庭から出ています。国民1人あたりに換算すると51キロにもなるのです。
ものすごい量の食品がムダになっているわけですね。
そうですね。消費者庁は、安心安全な生活のためにある役所ですから、安心安全な暮らしが持続可能でなくてはいけないと思っています。
そこで、持続可能な社会の実現のための活動をいろいろとやってきたわけですが、2015年の国連サミット採択によるSDGs(エス・ディー・ジーズ)(持続可能な開発目標)の開始によってこれらの活動が統合され、様々な方たちと連携ができたのはよい機会でした。今まで国の政策決定に関与していなかったような人たちの参加も求められていますので、役所の仕事である未来の設計(フューチャーデザイン)に多様性を与えてくれています。
消費者庁というのは、企業(事業者)と消費者の間に存在しています。つまり、企業の方がビジネスとして支持されるようなことをやってくださるのが最も効率的なのです。そこで企業の方たちが社会の構成員全員である消費者を大事にする経営をしてくださることを促進しようと、消費者志向経営の優良事例表彰を始めました。
選考委員には蟹江さんにも入っていただき、去年、その消費者志向経営の第1回の表彰をしました。まだ始まったばかりの活動ですが、事業者団体と消費者団体と連携して消費者志向経営推進のプラットフォームをつくり、推進しています。また、愛称として、これを「サステナブル経営」と呼んでいます。
SDGsという言葉が浸透する前から、非常に意欲的にいろいろなことをずっとやられていて、今、形になりつつあるということですね。
「正しい消費をしましょう」ということが、消費者庁の目的です。もともと経済官庁ですから、「経済活動としてお買い物をする、あなたの今日の選択が世界の未来を変える」という形で発信しています。
「ラグジュアリー」の意味が変わる
そういった中で、今回冨永さんにアンバサダーをお願いしたのですね。
ええ。なぜ冨永さんにお願いしたかというと、蟹江さんがおっしゃったように、発信力の高い冨永さんが志を共にして活動することによって、正しく考えて、自分で選ぶお買い物が「スタイリッシュ」なことだと皆に感じてほしいからなんですね。
スタイリッシュが分かりにくければ、「素敵なこと」でもいいですが、正しい消費をすることに意義があるということを全年代に向けて発信したいのです。冨永さんの今までの活動を拝見していると、正しい価値のために力を尽くされている方だと思い、アンバサダーになっていただきました。
トップモデルとして、素敵だなと憧れる思いももちろんありますが、単にファッションの世界だけではなく、ライフスタイル全体について、発信してくださることで、この活動の意義が広がることを期待しています。
よろしくお願いします。岡村さんがおっしゃるように、「正しい消費をすることがスタイリッシュである」ということは、今のファッション業界のブランド自体が目指していることでもあるんですね。今、「ラグジュアリー」ということの意味が変化しつつあるんです。
今までは、シーズンごとに流行りのものが生み出されていって、その新しいものを身に付けることがラグジュアリーだと思われていた。要するに、人間の欲望を満たしていくことだけをラグジュアリーと捉えてきたと思うのですが、今はやはりその背景にあるもの、人道的支援だったり、環境問題だったり、そういうことを支援しているブランドを選ぶようになっています。
そして「そういったブランドを買うことが豊かさである」ということを皆さん考え始めている。今、まさにそういう時代に入っているんですね。
やはりSDGsという言葉が登場してきたことも意義深いと思います。
持続可能な責任ある生産と消費の輪の中に、生活している人も入って、自分で参加すべき時代になってきているんですね。
消費者と流通側のギャップ
食品ロスの問題も、やはり「正しい消費」ということが大切だと思うんですね。食品ロスというのは、サプライチェーン全体の問題でもありますが、その一方で、消費者の買い方の問題もすごく大きいのです。
今までは「きれいな色のトマトだ」とか、色や形、値段が重視され、傷付いているジャガイモに、「なんでこんなものを置いているの」とお客様がクレームをつければ、スーパーはそれを並べないようにしていた。でも、実際にそう思っている方はごく一部の方だけなのですね。
そうなんですよね。
たいがいの日本人は大体文句を言わずに買っているのですが、店長会議などで、「きれいな色のトマトじゃない、とクレームがあった」という全体の1%ぐらいの声に影響を受けてしまう。そうすると、そうやってはじかれた食品がどんどんロスを生んでしまうのです。
ですから、消費者のほうも、例えば「傷付いているジャガイモが30円引きなら買うよ」と言ってくれればよいのです。私が行っている居酒屋さんは、余った刺身のつまを戻すと、ドレッシングをかけてサービスとして出してくれるのですが、それは消費者が言ったからできるようになったんです。買う側が言わないと、それが廃棄されてしまうんです。
消費者が、われわれはこういうものを買いたいと発信をしていくことがすごく大切です。それが世の中を変えていくと思うんですね。
私もバナナはフェアトレードのものを選ぶようにしているのですが、なかなか売っていないですよね。それがはっきりわかるマークも少ない。私は結構選んで買っているタイプだと思うんですが、世の中のお母さんたちは時間もないので、近くのスーパーに買い物に行ったときに、やはり、そこにあるものを買ってしまいがちだと思います。
やはり、情報が足りないんですね。今、置いてあるものの値段や見栄えだけでしか判断できないような状況になっている。少し昔であれば、例えば商店街の八百屋さんが、「ちょっと形の悪いトマトだけど、有機だからうまいよ」とか、「今が旬でおいしいから2つおまけしとくよ」みたいな形で、逆にロスをなくしていたと思うんです。
なるほど、そうですね。
結局、消費者と流通側のコミュニケーションがないためにギャップがどんどん生まれてしまい、それが食品ロスを生んでしまっている1つの要因になっているかと思うのです。
本当に消費者が求めているものが、安全性やおいしさ、ヘルシーさであるのならば、例えば生産者の顔が見える写真を貼ってほしいとか、梱包のことを考えてほしいとか、産地情報がわかるQRコードを増やしてほしい、と言っていただいたほうがよいと思います。
私1人の力では変えられないと、皆さん言うのですが、店長会議などを見ていると、消費者1人の声はすごく大きくて、その声に右往左往している。むしろ声を上げていただくことで、かなり流通側を変えられるのではないかと思います。
意見が反映される場をつくることが重要ですね。意見箱みたいなものでもいいかもしれないし、SNSだともっと言いやすいかもしれないですね。
そうですね。また、昔と比べると、365日、野菜などもいつでも食べられるようになっているので、食べ物の有り難みや生産の難しさを、消費者の方が実感しにくくなっています。そして、流通側も文句を言われるのが嫌なので、いつでも品物を並べて置く。そうすることでロスが出てしまうところもある。
そういった意味では、やはり食べ物の生産現場のことをキチンと知る必要もありますね。食育と言うだけではなく、いろいろな生産者の体験をしたり、見学をするような教育や啓発も大切ではないかと思います。
変わる若い世代の意識
ヨーロッパなどでフードロスの問題に積極的に取り組んでいるのは、若者たちなんです。大学生など20代のメンバーがディスコ・スープと言って、皆で音楽を聴きながら、余ってしまった食べ物をスープにして、通りがかりの人たちに渡していくようなことをいま盛んにやっています。
ファッションもそうですね。若いデザイナーの人たちは、自分のコレクションラインをつくる一方で、リサイクルのラインをつくったりしています。やはり若者のほうがエシカルに対しての感度が高いですよね。
生まれたときから「環境問題」と言われ続けて育ってきている。私の息子もそうですが、10代の人たちはすごく意識があります。
私の会社は余った食品を発酵飼料にする事業をしていますが、若者たちが工場見学に来るんです。今日も大学生たちが見学に来ていました。彼らと話してみると、お金持ちになりたいという時代ではないんですね。
例えば自分はこんな社会課題に関心があるから、それを解決していきたいといったことにやりがいを感じている若い人たちがとても多いと感じます。
「たった1つの地球を守ろう」という意識が高いですよね。最近知ったのですが、今の中学生は公民の授業で、普通に「持続可能」とか「サステナブル」ということを習い、SDGsを知るのだそうです。
素晴らしい。
それが大事ですね。実は、親は自分が勉強するよりも、子どもから言われたから勉強することのほうが多いと思うんです(笑)。
うちの工場には毎週バスで高校生が修学旅行で来るんですよ。京都や奈良へ行くのではなく、東北のほうから相模原のうちの工場までわざわざ来て、午前中に工場見学をして、そのあとホテルに帰り、消費者のチーム、食品工場のチームに分かれて、どうやって課題を解決するかというワークショップをやるそうです。
今の高校生はお寺よりもむしろ、社会問題に皆、興味を持ってくれるらしい。そういう若者がこれから社会に出ていってくれるといい方向に向かうと思います。
今日もここへ来る前にある会社の社長さんと対談していたんですが、どの会社も創業の理念などの言葉を見ると、ただ儲けるために会社をつくっているのではなく、「社会の何らかの課題を解決するために会社をつくる」と書いてあるんですね。
だから、社会課題の解決というのは、目的として絶対にあるはずなんですよ。でも、会社を続けているうちにその部分が薄れてきて、金儲け優先になってしまったりする。原点はそちらなので、若い人たちは、よりピュアな目で考えているんだと思います。
うちは新卒で従業員を毎年採っているのですが、離職率ゼロなんです。
仕事自体は、食品の廃棄物をひたすら選別したり、かなり劣悪な職場なんですが、朝礼や社員会議で、皆さんのやっている取り組みがこれだけ社会に貢献しているんですよ、こういったことで世の中の仕組みが変わっていくんですよ、と常々私が話をするので、やりがいを持って仕事をしているようです。
今、人手不足と言われていますが、うちで働きたいという人は絶えず来るので、社員募集に広告費を使ったことがないんです。そして誰も辞めない。それは、これから持続可能な社会をつくっていくために、この部分をうちはやっていこうと思っている、と情報発信しているからではないかと思っています。
なるほど。それはすごいことですね。
ファッション業界の変化
もともと私はSDGsという意識はまったくなかったのです。でも、「持続可能な社会」というのは、私が学生のときからずっと言われていて、それを2015年に国連が採択しただけの話なので、「持続可能な世の中にしていかないとこれからは難しい」と感じている人たちは、もともと多いと思うんですよね。
それをSDGsは「見える化」したんですね。
冨永さんは、いつ頃からこのSDGsという言葉を知りましたか。
実は、岡村さんとお会いしたときからで割と最近なんですよ。
ラグジュアリーブランドというのは、昔ながらのやり方で正しくつくって職人の方たちの生活が成り立つようにしているので、どうしても値段が高くはなりますよね。
そして無駄にしないようにつくって、大切に使う。そういう夢のあるものです。やはりファッションの関係者も、現代の必要に合わせて進化しているんだと知り、冨永さんがアンバサダーにピッタリなのでは、と思ったんです。
それまで自分がやってこられたことと一致したということでしょうか。
そうですね。ファッション業界の中でも90年代ぐらいから「エシカル」な動きがちらほら出ていて、私の事務所の社長でもある生駒芳子さんはファッションジャーナリストなので、10年ぐらい前から自分の雑誌で発信していました。
私がもう1つアンバサダーを務めている国際協力NGOのジョイセフという、アフリカなど途上国の妊産婦のお母さんたちを守る団体も、2010年ぐらいから活動していて、いろいろなところに目が行くようにはなっていました。
2010年ぐらいまで、私はニューヨーク、ミラノ、パリとコレクションをずっと回っていたんですが、動物愛護団体の方たちが、「NO FUR(毛皮はいらない!)」というプラカードを掲げて、裸でランウェイに上がってくることがあるんですよ。毛皮を使うな、とか動物の殺傷問題については、その頃からもう言われていたんです。
その当時は「ファッションの場でなぜそんなことまで」とも思いましたが、その後すぐにいろいろな活動が始まり、時代がエシカルな方向に向いているな、というのは感じていました。
サステナブルである方法
当時は、あえて先鋭的なことをする、一部の方たちだけの行動と受け取られることもあったと思います。でも、フードロス削減も、エシカルファッションも、普通の人たちにとっても、とても大切なことなので、社会と対立するようなやり方ではなく、今できることから、より正しい方向に少しずつ行くのであれば、それが結局一番確実ですよね。
そうしなければいけない時代になったのだと思うんです。そのことも消費者は結構分かってきている。
だから、そういった「正しい」商品をどうやって選ぶかということだけですよね。
やり方はいろいろあると思うのです。例えばちょっと高いものを買って、その代わり、ほつれてもちゃんと直して着るのもいいと思う。
また、例えばこの名刺入れは、アフリカで食肉用の動物の皮を使ってつくったものです。こういうものは日本まで輸送する際にCO2もたくさん使っていると思いますが、その一方で途上国の人の生活を守り、余計な殺傷もしないでつくっている。
あるいは、日本国内のある地域で、土地のものを利用したり廃棄を少なくしたり、あるいは端切れとなった革を利用したりして、サステナブルな原材料利用や経営をしながら、「正しく」つくっているところもある。だから、答えは1つではなくて、いろいろなやり方があるのではないかと考えます。
あると思います。それこそそういう背景を知らなかったとしても、安いものをどんどん買い続けるよりも、1つのモノを長く愛することもサステナブルなのです。
ホットマンというタオルメーカーは、自分たちがつくる繊維が加工されて、よくない売り方をされてしまっているので、直接自分たちが消費者に届けたいと思い、30年使えるタオルをつくったそうです。卸しの人たちからは、「それでは数が売れないじゃないか」と散々言われたそうですが、100%フェアトレードのコットンで、すごくいいタオルです。
そこの会社は売り上げがすごく伸びているんですね。宣伝などしなくても、口コミで、「これはすごいよ。本当に30年持つタオルだよ」と周りの方が勝手に営業してくれる。それでどんどん注文が入り、1000万円分タオルを買う会社があるそうです。
フェアトレードだからこそ現地で持続可能な生産をしてもらって、安定的に原料を供給してもらい、化学薬品を一切使わないタオルをつくり、肌にもすごくよいので、アレルギーを持つ人たちにとっても、大変よいらしいのですね。
大量生産・大量消費からの離脱
そういう企業の人たちがつくった物やサービスを、消費者が自分で価格も納得して買うというのが、消費者志向経営とエシカル消費の流れですね。いいものをつくってくれる企業があるから消費者は買える。消費者が支持して買ってくれるから企業は伸びるのですね。
『三田評論』は、企業の経営者の方がかなり読んでおられると思いますが、日本の企業にものすごく期待しているのです。日本企業の技術力は、本当に素晴らしいと思うのです。
私もそう思います。
今までやっていないことをできるようにすることこそ、まさにイノベーションで、それが商売になっていくのだと思います。
SDGsの目標は世界全体で合意している目標なので、皆、そこに向かっているはずです。そうすると、何か新しいことができるとなると、それが売れるようになる世界が来るはずなんですよね。逆にそれが来ないと、地球がなくなってしまうことになる。
SDGsは、その考え方がすごく大切なんですよね。産業革命以降、どうしてもGDP、経済優先で走ってきた世の中が、いろいろな歪みを生んでしまっている。それを「なんとかしましょう」という考えがSDGsの考え方の根底にあるのかと思います。
やはり、大量生産・大量消費からいかに離脱して、皆がウィンウィンでいいものをきちんとつくり、皆がそれを使っていく方向に持っていかないと、地球は厳しくなるのかなと。
そうですね。とくにアパレル関係が多いかと思うのですが、価格競争が激化する中で、海外に安い工場をつくって、安い賃金で大量につくって安く売るということがまかり通ってきたんです。でも、一方で日本の企業は、先ほどおっしゃったように素晴らしい技術を持っていて、エルメスとか、大手のいろいろなブランドが日本のニットの工場を使ったり、岡山のデニムを使ったりしています。
そういったものづくりの技術が日本にはあるんですね。国外に工場を持つのではなくて、日本の工場でつくったものを日本のブランドが売るという形に少し戻ればよいと思うのです。地産地消をアパレルでもやっていく。実際に、若手のデザイナーさんでは、そのように地産地消で、問屋さんを通さずに工場と直接取引してブランドをつくり、少しでもコストを落として消費者に届けている人もいます。
「日本のものは日本で」と企業のあり方、ブランドのあり方を見直していったら、素晴らしいことになるのではと感じるんです。
地方創生とかも、そういう中でできると思いますね。
これは日本の企業がつくった光発電の時計なんですけど、太陽光でなくてもLEDでも蓄電できるんです。
日本の企業の技術でこんなに薄くなって、ベルト部分も日本でつくられた伝統工芸の西陣織なんです。さらに製造工程で洗うときに化学薬剤も流さないと徹底している。
体にも環境にもいいと。
私もちょっと無理して買ったんですけど、それはほかのものを買うのを我慢すればいいわけです。
生活様式というのは、いっぺんに全部は変わらないでしょう。でも、10回買い物するうちの1回だけ、意識するだけでも変わっていくはずです。チョコレートが好きなら、このカカオはアフリカの子どもが学校に行かないで摘んだのだと分かれば、そうではない商品を選べばいいと思うのです。
消費者がそれぞれきちんと責任を持って選ぶなら、方法はいろいろあっていいと思います。そして、冨永さんが「こんなこともやっている」とつぶやいていただければ、「あ、そうか」と思う人たちがたくさんいる(笑)。
そうですね。僕らがやるよりも、これは冨永さんがやると、やはり「かっこいいな」という話になる。
重要な情報提示の仕方
企業経営者の方たちは、ライフスタイル自体を、より持続可能な社会のために、という姿勢で考えてくださればと思います。いろいろな選択肢を出していただいて、それが分かるようなプラットフォームも必要ですよね。
私たちは少なくとも分かるところから正しい情報に基づいて、自分なりに納得する判断をしたいと思います。
無責任な消費はしたくないですね。今、やはりそういった情報があまり見えないですよね。
逆に情報が溢れてしまっている面もありますよね。いろいろなポップやマークや表示が氾濫していて、どれが本当に意味があるものなのかを判断しづらいこともあると思います。
「優とん」という表示は、この前、髙橋さんに聞いて初めて意味が分かりました。
優とんとは何ですか?
エコフィードという余ってしまった食品を安全性や品質を担保した形で餌にして、それを食べて育った豚肉を、小田急グループは「優とん」というネーミングで売っているんですね。
優良なのかな、とか思ってとりあえず買ったりすることはありますが、もう少し分かりやすくしてもらいたいな、というのはありますね。
整理は必要だと思います。
もうSDGsのマークを付けるのでもいいと思うんですけどね。
食品ロスは法律もできたし、これからいろいろなことができるのではないですか?
そうですね。われわれは、どうしても出てしまう食品廃棄物から、堆肥化をしたり飼料化をして、そこで育った野菜やお米、豚肉などを「リサイクルループ」という循環の仕組みをつくって、継続性の高い世の中にしたいと思っています。できればマークを統一して、そういったものを、消費者に選んでもらうことで持続可能な世の中に貢献したいと思うのです。
例えば、レストランでも、食品ロス削減ミシュランみたいに、食品ロス削減に貢献していて、かつおいしい店が分かればいいのかなと。
それ、いいですね(笑)。
今、ちょっと食べにいくと、3000円〜5000円ぐらい掛かるけれど、ちゃんとしたものを食べられる外食産業がすごく伸びている。そういった店のシェフからも、エコフィードの豚肉はすごくいいねと言ってもらって、使い始めてくれています。
一方、スーパーの豚肉の格付けで、どういうものがいい肉かというと、いかにスライスがしやすいかとか、いかに見栄えがいいか、いかに歩留まりがいいか、というのが上物なんです。
歩留まりって何ですか?
要するに肉がいっぱい取れることです。脂がたくさんあると肉があまり取れないので、それは歩留まりが悪いと言われる。でも消費者が求めている、安全性やヘルシーさ、おいしさというものは格付けには一切反映されないんですよ。
消費者側の基準ではないのですね。
流通しやすい、売りやすいという観点からの格付けなのです。よく農家の人たちが、「本当はこれを食べてもらいたいんだけど、卸しが買ってくれないから自分たちで食べてしまう」と言う。これは豚肉だけではなく、野菜や果物でも往々にして起きていることで、そういう意味では、情報提示の仕方も工夫の余地があると思います。
ネット社会の購買行動
冨永さんは、食べ物を買うのでも服を選ぶのでも、何か自分なりの基準みたいなものはあるんですか。
食品に関しては、基本的には無農薬のものを選びます。また、「安ければいい」というものはやめています。
ちゃんとしたところからちゃんとしたものを買うということですね。
そうですね。あと裏の原材料表示は必ず見ます。
女性の場合は、裏を見るのはほぼ全員じゃないですか。
うちの妻も、一緒に行くと遅いんですよ。ジーッと見ている(笑)。
そうそう。時間かかるんですよ。
私は、消費者庁に来てから勉強のために行くことにしていますが、あまり食品をスーパーで買わないのです。インターネットで売っているものだと自分で確認できますよね。
今、スーパーも安かろう悪かろうという傾向にどんどんなっていて、牛肉でも豚肉でも、海外から輸入にしたほうが安くていいと、なってしまっている。日本の生産者の人たちは、スーパーに卸すのをやめようかという動きもあると聞きますね。
ネット社会になって、ダイレクトに買う人が多くなったんですね。
そうですね。いいものを直接買ってもらいたいので、自分たちでネット販売をしたり、直売所をつくる動きが出てきています。
そうすると、その間の流通で出ていたCO2も削減できる可能性もありますね。
そうですね。だから、消費者も直接生産者から買ったほうが、生産者も利益になるし、消費者も安くリーズナブルに顔が見えるいいものが手に入る。これからそういう形になっていくのかなと思います。
私も食品に関してはインターネット注文が主です。そこで足りないものはスーパーに行くという感じです。
働く女性は、夜中に確認したいということもあるので。若い世代は仕事もしながら、いろいろ折り合いをつけて、ということが多く、なかなか夕方スーパーに行くことができませんから。
女性の社会進出と、もうリンクしているのですね。
変わり始めている企業
SDGsにはいろいろなゴールがあるので矛盾もありますが、できるところからやっていきたいし、日本中で髙橋さんのような活動をされる事業者の方が増えてくださるのが、私たち消費者にとってもよいことですね。
やはり将来世代に負担を押し付けてまで、今、消費し過ぎることというのは長い目で見て正しくないことに消費者も企業の方ももう気付き始めています。ファッションも、人々が気持ちよく着ることができるために、正しくつくってくださるものを買えるようにしたいと思います。
そうですね。僕も最近、服についてもすごく気にするようになってきたんです。でも、そうすると、どれを選べばいいのか逆に分からなくなってきてしまう。
エシカルな活動をしているブランドを集めたサイトや、スタイリストさんがつくっているサイトもちらほらありますが、やはりまだ定着はしていない感じですよね。
サステナブルなラベルを知ってもらうための活動をされている団体もありますね。
あと、「ここの会社はこういう努力をしているよ」というものがもう少し見えるようになればいいですね。今は企業報告の後ろにちらっと書いている感じしかない。例えばこの会社はサステナブル三つ星ですとか、二つ星ですとかがあるとわかりやすい。
今は、ペットボトルからつくった背広もありますからね。
買いやすい値段になっていくまでは時間がかかるので、なんとか企業の方と私たち次世代への責任を負っている大人が、頑張っていいものをつくり、それを伝えていきたいですね。
今、プラスチックゴミ削減のために、業界はペットボトルも2000年代のいつまでにゼロにするという宣言をして動き始めていますよね。
すぐにはできなくても、「いつまでにこれをやりますよ」と宣言することはすごく大事です。それができないのは、もしかしたら仕組みのせいかもしれないし、マーケットができていないせいかもしれない、ということがだんだん分かってくると思うんです。
以前よりも企業の方たちの本気度が変わったと感じます。環境に良いことをしているということを積極的に開示して、投資マネーもESG投資を通して呼び込み、それを消費者にも伝えていこうとしている業界も会社もあるので、より広まってほしいと思います。
やはり日本は発信は下手ですよね。去年、国連の会議で、マレーシア出身のボンドガールをやった女優のミシェル・ヨーさんが、エシカルファッションについて演説したんですが、プレゼンテーションがすごく上手い。
日本からもそういった発信をしていくのはすごく大事だと思うんですよね。結構よい活動をしているところはあるのですから。
ただ、グローバルな世の中だからといって海外に出ることは、私は全然考えていないんです。そう思っていなくても、今、うちに会社には世界中から毎日メールが来るんですよ。
従業員2、30人の小さな会社ですが、トリニダード・トバゴから昨日連絡が来ましたとか、ペルーから来ましたとか、いろいろな話が毎日のようにメールで来て、やたらグーグル翻訳が活躍している(笑)。
「持続可能なことをやっていますよ」と情報発信さえしていれば、向こうからどんどんアクセスしてくれる世の中になっていると思うので、包み隠さず表現していくことが大切なのかなと思います。日本は奥ゆかしい人たちが多いので、情報発信をすることが社会に対して大切だ、ということを浸透させる必要があるのかなと思うんですね。
食品ロス削減のための課題
食品ロス削減の法律ができ、消費者庁の今後のアクションというのは、どのあたりがターゲットですか。
家庭のゴミについては、全国の市町村、都道府県まで全部ネットワークがありますので、気付きを伝えられればと思いますし、いろいろ実験すると、単に測っただけでロスは2割くらい減らせることも分かってきました。
事業系については、例えばレストランのバイキングで、いつもきれいに並んでいないと困ると要求する消費者は、ほとんどいないということもわかってきましたので、そのあたりかと思っています。
今、いろいろなメディアで食品ロスを取り上げていただいているので、食品が大量に捨てられている映像を見て、消費者は「もったいない」と思っている。でも、逆に言うと、「もったいない」としか思わない。実はその食品廃棄物というのは、自分たちの税金を使って焼却炉で燃やされているわけです。今、国で廃棄物処理費は年間2兆円使っているんですね。
紙やビン・缶はリサイクルされるので焼却炉で燃やされているのは、食べ物が4割から5割。そうすると、8000億円から1兆円、われわれの税金を使って燃やしていることになる。食料自給率が38%の国なのにです。このことも消費者に知っていただかないといけない。
さらに、自治体の焼却炉は、自分たちの家庭ごみだけではなく、ホテルとかレストラン、スーパーのものも全部自治体で燃やされています。これも一般の人たちはほとんど知らない。
そういったことをやはり知っていただいて、自分自身の問題として、消費行動を変えてもらったり、流通側に伝えてもらうことが必要です。
今朝、オランダの環境大臣と、三田で行われたシンポジウムで話をしたのですが、食品ロス削減は、誰にとってもウィンウィンなんですよ。悪いことはない。お金も得する。逆に言えば「なぜやらないのか」ということになる。ちょっと仕組みを変えれば、皆が得する話なんですよね。
たぶん家庭の生ゴミに関しては、皆さん何が食品ロスなのか、分かっていないと思うんですよ。私自身も、うちからどうやって食品ロスが出ているか分からない部分があります。
普段料理をするときに、私は基本皮は剥かないようにしているんです。だから良質の野菜じゃないと嫌なのですが、子どもが生まれてからそれを気にするようになったのです。
それは一番正しい。ほとんどの食品は皮のところや葉っぱに栄養があるんです。
そうなんですね。僕は一生懸命皮を剥いていました。面倒くさいなと思いながら。
皮を捨ててしまうのはもったいないから、私は今、シェフの人たちや料理学校の先生たちに、皮をもっと使うメニューをつくって提案してくれないか、という話をしているんです。
楽しい話題で知識が増えると、うれしいですよね。ストイックにどうこうというのではなくて、気付いたところからやって、日々の生活を楽しめればいいと思うのです。そういった消費者が増えてくれば、売るほうも、つくるほうも考えてくださると。
「商店街の文化」の復活を
でも、やはり僕らの世代の男性はあまり家庭科などでそういうことを習っていないので、知識がないと思うんですよ。
エシカル商品についてアンケートを取ると、やはり4、50代の男性は一番知識がないんです。例えば環境にいいものを選ぶ際、若い人は同じ値段だったら男女とも絶対エシカルなほうを買うと答える。でも、4、50代の男性はそうではない。
その年代のおじさんたちはそもそも買い物をしないんですよね。でも、私は逆なんです。うちのかみさんはバリバリのキャリアウーマンなので、買い物とか料理は全部私がする。だから、私はやたらとスーパーに行って買い物をするんです。
私の仲間は結構「専業主夫」が多いんですよ。最近ちょっとずつ世の中は変わってきていると思います。保育園では、子どもを送りに来るのは、8割がお父さんでした。
社会はそうやって変わっていく。だから、共通目標はよりサステナブルな方向へと向かうのは間違いないと思います。
あと消費者の声として私が言いたいのは、お肉のプラスチックのプレートです。あれ、要らなくないですか。
要らないです。
ゴミを増やすだけですね。
すごく邪魔でかさばるし。だから、私はいつも袋だけで売っているところで買うんですよ。そのほうが少しだけ安いですし。
本当は量り売りにして、1つの大きい容器に入れて、持ち帰れるようにしてくれたほうがゴミも減るし、必要な量だけ取れるみたいな仕掛けのほうがいい。スーパーの人たちにそう言っているんですが、なかなか実現できませんね。
商店街のお店はお皿を持っていって、「ここにちょうだい」というところもありますよね。
そちらのほうがずっといいと思います。
ぜひ、それは消費者側がお店に言ってほしいところですね。スーパーも、バックヤードで肉を切っている人たちに声を掛けると喜んでいろいろなことをしてくれるんですよ。「もっとこういう肉ないの?」とか言うと、喜んで切ってくれる。現場の人たちも声を掛けてほしがっているのです。
もうちょっと壁をなくしてしまえばいいんですね、
そういうお店がニューヨークでもパリでもハイエンドですよね。マルシェに行って会話してという感じ。
ヨーロッパは町中にマルシェがありますものね。
商店街の文化を復活させるというのもいいかもしれないですね。
私は商店街が好きです。友達になっていろいろ話もできるし。時間はかかるんですけど、やはりすごくいい文化ですよ。
「正しい消費」の時代へ
今日の議論でいろいろな課題が出てきたし、今後やるべきことも見えてきたかと思い ます。
消費者庁というのは今までの縦割り行政ではなく、人々の暮らしのためにできた新しい役所です。以前から消費者運動というのはあるんですが、今後は普通の人たちが普通の暮らしをするために消費のことを考えるべきです。日本の社会自体が変わったんですね。
価格とか見栄えではない、本当の価値が大事になってきています。お金を使うときは、責任を持って使っていきたいという、「正しい消費」が重要になっているのだと思います。
そうですね。私も正しい消費ということが基本だと思うんです。「安物買いの銭失い」みたいなものが今、いろいろな弊害を生んでしまっている。ストーリーをきちんと踏まえて消費行動をすることがこれから求められていくし、情報発信をきちんとして、正しいものを売る企業が選ばれていく時代になると思うんですよね。
そうですね。企業の人たちが思っているよりも、消費者たちがそれを求めていると思います。
その通りですね。消費者のニーズを先取りし、商品やサービスを開発し、環境負荷軽減の努力をして、事業を通じて健康、安心で豊かな社会の実現に貢献する企業が選ばれていくのだと思います。それが先ほども言いました消費者志向経営です。
なるほど。結局、「SDGsをしっかりやりましょう」という感じですね。
そうですね。そしてそういった意識をしっかり持った若者に社会の中核を担っていただければと。若者が輝けるような未来にしなければと思います。消費の未来というのはこのサステナブル消費なんです。生産の未来も「サステナブル」にあります。
大学に期待するところも大きいのです。大学は、そういったことを議論できる場がつくれますよね。
フラットに議論できるのは、やはり大学のいいところだと思います。われわれも、xSDGラボという研究ラボラトリーを昨年から立ち上げて、その中で企業や自治体と協働するためのコンソーシアムも作りました。こうした仕組みを使って、研究をベースにSDGs実施の好事例や基準づくりをしていきたいと考えています。
SDGsということをどう掲げるか、どう示すかというのはすごく大事だと思うので、そこは協力していきたいと思っています。
是非宜しくお願い致します。今日はお忙しい中、有り難うございました。
(2019年6月14日収録)
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。