執筆者プロフィール
秦野 智也(はたの ともや)
日本セパタクロー協会会長、国際審判員理工学部 卒業理工学研究科 卒業2002理工、04理工修、07理工博
秦野 智也(はたの ともや)
日本セパタクロー協会会長、国際審判員理工学部 卒業理工学研究科 卒業2002理工、04理工修、07理工博
「足のバレーボール」とも称されるセパタクローは、東南アジア発祥の競技だ。オーバーヘッドキックを彷彿とさせるアクロバティックなプレーこそ、この競技最大の魅力である。私は大学時代、サークル活動としてこの競技を始めた。学生時代は日本代表としてプレーし、その後は運営、審判、強化育成と形を変えながら30年近く関わり続け、今年から協会会長を務めることになった。
セパタクローはアジア大会の正式種目である。今年、32年ぶりに日本でアジア大会が開催され、愛知がその舞台となる。前回の広島大会の際、高校生だった私は、ラジオでセパタクローを初めて知った。まさか自分がその競技団体の会長として日本開催を迎えることになるとは、当時は想像もしていなかった。
現在、日本での競技人口は2,000人程度。魅力の多い競技である一方、まだ十分に普及しているとは言えない。そのもどかしさを、長く関わるほど強く感じている。確かに、誰もがすぐに楽しめる競技ではないかもしれないが、高度に身体を操る「見るスポーツ」としては十分に人を惹きつける力がある。
近年、日本の競技レベルは向上しており、昨年の世界選手権では初めて金メダルを獲得した。一方、選手たちの環境は決して恵まれていない。プロリーグが存在しない日本では、多くの選手が仕事を続けながら限られた時間の中、第一線で競技に打ち込んでいるのが現状だ。
私は強化選手がより良い環境で競技に打ち込めるよう支えながら、プレーする人、観戦する人、そして競技を支える人の輪を広げていきたい。それを実現するためには、競技経験だけでなく、組織を動かすこと、人に伝えること、周囲を巻き込むことが大切となる。私にとっては大きな挑戦だが、まだ広く知られていないこの競技にも、人を夢中にさせるだけの魅力があると信じている。
9月のアジア大会では、私も国際審判員としてコートに立つ。日本のセパタクローを支えてきた仲間たちが、大いに活躍してくれることを信じている。さらに、我が塾員もキーマンとしてプレーする予定であり、大きな期待を寄せている。
もしメディアでセパタクローを目にする機会があれば、この競技に人生を懸けている人たちがいることを、少しでも心に留めていただければ幸いである。
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。