登場者プロフィール
髙村 美己志(たかむら みきし)
その他 : 東亞合成株式会社代表取締役社長理工学部 卒業文学部 卒業1978年慶應義塾大学工学部、80年文学部卒業後、東亞合成化学工業株式会社入社。2010年取締役、2015年11月より現職。
髙村 美己志(たかむら みきし)
その他 : 東亞合成株式会社代表取締役社長理工学部 卒業文学部 卒業1978年慶應義塾大学工学部、80年文学部卒業後、東亞合成化学工業株式会社入社。2010年取締役、2015年11月より現職。
長谷川 豊(はせがわ ゆたか)
その他 : ヤマト株式会社代表取締役社長商学部 卒業1981年慶應義塾大学商学部卒業。ニューヨーク・ペース大学でMBA取得。米国プライベートバンクでの投資顧問等を経て2000年7月より現職。
長谷川 豊(はせがわ ゆたか)
その他 : ヤマト株式会社代表取締役社長商学部 卒業1981年慶應義塾大学商学部卒業。ニューヨーク・ペース大学でMBA取得。米国プライベートバンクでの投資顧問等を経て2000年7月より現職。
岡部 貫(おかべ かん)
その他 : セメダイン株式会社代表取締役社長経済学部 卒業1983年慶應義塾大学経済学部卒業後、鐘淵化学工業株式会社(現株式会社カネカ)入社。2015年執行役員、2017年4月より現職。
岡部 貫(おかべ かん)
その他 : セメダイン株式会社代表取締役社長経済学部 卒業1983年慶應義塾大学経済学部卒業後、鐘淵化学工業株式会社(現株式会社カネカ)入社。2015年執行役員、2017年4月より現職。
2017/11/01
歴史ある日本の接着剤
私どもの会社は、BtoB(企業間取引)の製品が多いのですが、瞬間接着剤のアロンアルフアというものがありまして、これは一般消費者向けの商品として多くの方にご愛顧いただいています。
会社の生い立ちも実は、慶應とゆかりがあるんです。さかのぼると、福澤諭吉の次女(房(ふさ)さん)の旦那さんに当たる福澤桃介がつくった会社です。大正のはじめの頃ですね。当時、各地で水力発電の設備がつくられていて、福澤桃介も電力開発を積極的に行いました。その電気を有効に活用するために、名古屋地区に化学工場をつくったというのが最初です。桃介の息子などが社長を務めていたことがあり、今は国内に8カ所、海外にもいくつか工場があります。
化学の会社なので、なかなか一般の方には馴染みがないのですが、大正初期につくり始めた、食塩水の電気分解でつくるカセイソーダや塩素などは、いまだに世の中で多く使われています。
瞬間接着剤は私どもだけではなくて、セメダインさんも含めて多くの会社が世界中で販売されていますね。
私のところは、東亞合成さんやセメダインさんと違って、ローテクな分野です。
私自身、商学部出身で、村田ゼミというところにいたものですから、その関係ですぐ海外に行きました。アメリカの大学に留学して、そのまま向こうの銀行に入ってしまいました。そして2000年、家業であるヤマト株式会社が100周年の時に入社したという経緯です。
歴史のある会社なんですね。
1899年、4代前の木内弥吉という人が始めた会社です。この人は薪炭商で、当時は炭を販売用の小分け袋に入れるのですが、その袋貼りに使う糊がすぐ腐ってしまい、困っていました。そこで米のでんぷんで防腐剤と香料を使い腐らない糊を開発したところ、非常に評判がよかった。また当時、糊は自分で作るか量り売りの時代でしたが一定量入れた販売を考え、初めて瓶容器入りの糊を開発したのが端緒だったようです。『ヤマト糊』と命名し、今も尚ご愛顧いただいているロングセラー商品です。でんぷん糊は今、主にうちと大阪にある会社の2社がつくっています。
さらに、おかげさまで、1975年に出したアラビックヤマトという商品がたいへんヒットしました。最近では、ロールタイプの付箋が売れています。
現在、国内では文具が70%、30%弱が主に自動車関係の塗装用に使うマスキングテープ、ブラックアウトテープというものを加工販売しています。
近年は少子高齢化で学校需要も減ってきて、新しいことをしなくてはいけないというので、ホビークラフト関係にも力を入れています。お年寄りや子どもたち、もしくは趣味の方々向けの商品です。糊を使うことは手先を使うことでもあり、お年寄りには喜んでいただいています。
また、「ヤマト糊 ボトル」は、先日「TOP AWARDS ASIA」という、アジアにおいてデザインされたパッケージデザインを対象とした賞を受賞しました。
ヤモリの足裏を研究
セメダインは、1923年に今村善次郎という人が、谷中の自宅を改造して研究所兼製造所、商店を開いたのが始まりです。今村さんは、化学のバックグラウンドが一切なくて、いきなり接着剤をつくろうとしたそうです。トライアンドエラーを繰り返した結果、約20年近くたって1938年にようやくニトロセルロース系の「セメダインC」という、黄色いパッケージのものを出して、これが模型飛行機用に大ヒットしました。
日本で最初の合成接着剤ですね。
当時は、でんぷんや膠(にかわ)などしかなかったんですね。
それからシリコーンのシーリング材を出したり、自動車用のコーティング材や接着剤など、多様なものを出しています。今は総合シーリング材・接着剤メーカーという感じです。
セメダインCのおかげか、一般消費者用の商品のイメージが非常に強いと思うのですが、一般消費者用は売り上げ構成比でいうと16%ぐらいです。特に近年は、変成シリコーンポリマーを活用した弾性接着剤に注力しています。
これは約25年前にセメダインが提唱したわけですが、強力な接着剤というよりは、剝がれない接着剤というコンセプトです。割と軟らかいタイプなので、基材が動いても界面が基材の動きに追従するため、応力緩和になって剝がれない。
また、接着するということ以外に、たとえば導電性を持たせたり、耐熱化したりとか、くっつくけれども剝がしやすい「はく離性」といった機能をいろいろ付けたものを出しています。
普通、接着剤というと、とにかく固めるものが多いですが、セメダインさんが開発しているような、ある程度弾性を持っている接着剤というのは本当に画期的で、これは真似しようといってもなかなか難しい。
最近は、くっつけるだけではなく、剝がせるようにするという方向でのニーズも結構あります。
実は、生物の模倣という技術があります。ヤモリという生き物がいますが、ヤモリの足裏は、くっついて剝がれて、ということを繰り返して、ガラスの上でもどこでも歩ける。あのヤモリの足裏のようなものが再現できれば、くっついて剝がれるという接着剤ができるのではないかということで、うちの研究部門でも、ヤモリの足裏を観察しています(笑)。
ガラスも実は表面がでこぼこしていますから、ヤモリの足裏の細かい毛が、そこにぴったりくい込んで離れない。それが、あたかもくっついているように見えるということだと思います。
海外での使われ方
アロンアルフアは海外でも使われていますね。
日本ではアロンアルフアという商品名で売っていますが、アメリカをはじめとする約20カ国では、「クレイジーグルー」(Krazy Glue)という名前で販売しています。アメリカは日本と違って、DIY(日曜大工)をする文化が根づいているようです。
日本で、一般の方が使う1人あたりの消費量は、1年間で44グラムだそうです。アメリカは、正確な数字はないのですが、それよりははるかに多い。
われわれの世代はプラモデルなどでまさにセメダインCなどを使った記憶がたくさんありますが、われわれの子どもの世代はミニ四駆などで、もう接着剤を全然使わない。モーターだとかタイヤを嵌めるだけですからね。さらに最近はゲームなどが中心で、模型そのものをつくらなくなりました。
でも、日本でもアメリカでも、小・中学生が工作などでアロンアルフアやクレイジーグルーを使っているという話を聞きます。当社でも各地で子ども向けの工作教室を開催しています。
液状糊を使う文化というのはアメリカにはまったくないんですね。すべてテープとかスティック糊。でんぷん糊はフランスやイタリアでは使われています。フランスにはクレオパトラ、イタリアにはココイーナという有名なブランドがあります。あと、東南アジアでも使われていますね。うちも糊のメインの工場はタイにあります。
うちも中国などにスーパーXという弾性接着剤の製品を輸出しています。中国市場ではそれなりに知名度が上がっているのですが、実は偽物もけっこう出回っていて、神経を尖らせている部分もあります。
世界的に見ると、接着剤を使うというのは、ある程度生活レベルが高い国でないとなかなか難しいように感じます。工作をする余裕があるかどうか、あるいは、補修をしたいぐらい貴重なもの・伝統的なものがあるか、ということですね。
筆記具でいうと、国によって紙の質、ボールペンの質が全然違いますよね。
インドなど海外でも現地法人を傘下に入れて展開しているメーカーに対して、当社も技術供与ででんぷん糊などを一緒にやっているのですが、文化が違うので非常に難しいですね。
インドあたりでは糊を貼ったりしないですか。
貼ることは貼るのですが、大きな容器に入った糊をまず自分で薄めて使うんです。だから、障子を貼るときみたいな感覚で糊を買う。それだと腐ってしまいますよね。
中国で、ある時期にアラビックヤマトがたくさん売れたのですが、それは政府が買ってくれたんです。中国の糊だと公文書が剝がれたり、腐ったり、鼠がかじってしまうこともあったんです。
体にやさしい成分でつくる
接着剤の世界は、100年近く前に開発されたものがいまだに商品として残っていたりして、ある意味で珍しい世界ですよね。
セメダインCもまだ残っていますからね。
膠みたいな昔の接着剤も、いまだに使われていますね。こういう天然系の接着剤は歴史があります。
麩糊(ふのり)とかもそうですね。
麩糊もそうだし、米粒だって、ちゃんとつければものすごく強力な糊になる。
米粒は強力です。米は煮ると糊になりますが、実は加熱製法から切り替えてでんぷん糊をつくったのがうちなんです。加熱処理ではなく化学処理でやる、冷糊法という製法で特許を取った。
うちの商品は比較的人にやさしいというか、例えば、でんぷん糊にしても現在原料はタピオカでんぷんです。小さなお子様も使う商品なのでアレルギー等の情報も加味して材料の選定をしています。当社は、昭和58年に、原料をタピオカでんぷんに変えたのですが、実際に誤って舐めても安心な商品です。
子どもからお年寄りまで幅広い層がお客様ですから、品質には特に気を使っています。海外からの輸入品で、3本100円で売っているものと、うちの1本100円のものだと、1本100円のほうが全然売れるんですよ。
やはり品質がいいからですよね。
ただ、うちの商品だと、何かあるとクレームが来ますが、3本100円のものならこんなものだと誰もクレームをつけない(笑)。
変わった使い方
ちょっと変わった商品ですが、たとえば卓球のラバーと板をつける接着剤もうちはつくっています。一流の選手は対戦相手のタイプによってラバーを貼り替えるらしいですね。
接着剤をほかの用途で使っている事例は、私も時々聞きます。例えば、瞬間接着剤は指紋の検出にも使われているんですよ。
ある県警さんとタイアップして、指紋検出用のキットをつくりました。指紋は、普通のなめらかなテーブルの上なら簡単に採れるのですが、コンクリートとか、表面がでこぼこしているところでは採りにくい。そこにアロンアルフアを使うと採りやすくなるそうです。当社の技術員が県警に、「こうやると検出しやすいですよ」と講習に行ったりしています。
どういうふうに使うんでしょうか。
瞬間接着剤は、蒸気が出るんですね。容器の中に入れて蓋をかぶせて、その中で蒸気を当てると、指紋が白化して出てくるんです。
また、おすすめはしてはいないのですが、ギタリストの方が、爪が割れないように、演奏する前に塗っておくということも聞いたことがあります。また、今度東京オリンピックの競技になるボルダリング(クライミングの一種)の選手も使用しているそうです。
手に悪くないんですか。
アロンアルフアとほぼ同じ成分で「手術用」もつくっていて、三共さんで出しているのですが、体に悪いということはないです。これも予想外の使い方ですね。
剝がしやすい接着剤
経産省の商業統計によると、いわゆる文具店がどんどんなくなっていまして、実は平成19年に11806店あったのが、平成26年には7269店。減少率でいうと38%ぐらい減っていて、1日2店舗減っている計算になります。ただし、文房具の売り場の面積は、広がっているのです。今は本屋さんや雑貨屋さん、コンビニ、スーパー等でも文房具を置いていただいていますね。
接着剤は、日本でも年率数%ですが、使用量は増えているんです。昔は他の接着剤メーカーとの競争だけ意識していればよかったようなところもあるのですが、最近は、まさにヤマトさんのところの粘着テープとか、接着剤とどちらを使ったほうがいいか迷うような商品も出てきていて、境目が非常に分かりにくくなってきていますね。
剝がしやすいということだと、「貼って剝がせるテープ」がありますからね。うちも使わせてもらっていて、たとえば新車を運ぶとき、傷つかないようなラップテープというのがあります。いかに綺麗に剝がれるかは素材で違う。糊でも、今は「剝がせる糊」がいろいろあります。
昔はなんとかくっつけばいい、いろいろな素材に接着できればいい、という程度でしたが、やはりニーズが広がっていると感じます。つくだけではなくて、必要なときは剝がせるほうがいいとか、それだけわれわれの仕事もまだ開発の余地は十分あるんだなと思います。
アロンアルフアでも剝がせるほうがいいという要望はあるわけですか。
よく、「指についてしまったので剝がしたい」という方はいらっしゃいます。お湯の中でしばらく揉んでいただければ割と簡単に剝がれるのですが、そうすることができない素材もありますね。
190度ぐらいまで熱すれば接着剤は分解してしまうんですが、そこまで温めたら素材が傷んでしまうから、熱せられない。剝がすための専用の液もあるのですが、時間がかかる。つけるのと剝がすのをセットと考えると、剝がすほうももう少し知恵を絞らなければいけないとは思っています。
昔、女子高生の間でルーズソックスが流行ったとき、ソックタッチというのがありましたよね。
ああ、靴下がずれないように。
アラビックヤマトで留めるのがいいというお客様もいたんですが、本来、紙などの接着用途ですから、用途外の利用なのでおすすめ致しかねるところもありました。
以前は、粘度が高くて塗りにくい接着剤を、シンナーみたいな溶剤に溶かして使ったりしたんですが、環境問題や手間などが理由で、溶剤を使わない接着剤も、時代のニーズで出てきていますね。
今は、光を当てて固めるというものもあります。ネイリストの方が使うんですが、ネイルのデザインができたところで、光を当てて完全に固める。
アメリカでは、御社の商品をネイル用で売っていますよね。
そうですね。日本でもあるのですが、ネイリストさんは最近、光で固めるほうを使うケースが多いように聞いています。
個人の好みで買う時代
ボルトなどで締めて、完全にくっつけてしまうよりは、接着剤をつけたほうが簡単ですし、それをまた取り外すときに、ボルトをいじるとなるとたいへんですからね。その意味で、さまざまな機能を持つ接着剤が世の中でもっと求められているということだと思うんですね。
アラビックヤマトは42年前にできたのですが、その頃女性の社会進出が増えてきて、女性が事務作業で手が汚れないようにということで、均一に塗れるスポンジキャップ付き液状のりをつくりました。
なるほど、指で糊を使わなくて済む。
現在では、スティック糊やテープ糊もありますね。うちの社内では、「塗布面積がどうこう」とか意見もあったりするのですが、一般の人は、塗布面積がどうだからといって買ったりしないと思うんです。
たしかに、接着剤の量やサイズも、使い勝手においては重要ですね。
最近では、一部コンビニなどに出した小さいサイズのアラビックヤマトが大変好評を得ています。
あと、文房具自体が、最近はオフィス単位で買うというより、皆さん個人が自分の好きなものを買うというようになっている。単価が多少高くても、いいものが売れる時代にはなってきている気がします。
セメダインCは、創業時から実質的にはほとんど値上げしていないですね。
うちも全然変わっていないんですよ。ちょっと上げましたが、上げるのはやはりたいへんで。
タイに工場があるとおっしゃっていましたが、日本国内でつくるよりは安いのでしょうか?
安いことは安いのですが、最近は高くなってきましたね。文具業界の場合、マレーシアやベトナム、タイ、中国でつくることが多いですね。
ただ、ヤマト糊のチューブとボトルのものは、相変わらず長野県の佐久でつくっています。いっぺんに大量にできてしまうので。
当社は日本とアメリカと中国と、3カ国でつくっています。
セメダインは、自動車用は海外でもつくっていますが、ほとんど日本ですね。
小学生用のアメリカの糊なんかは全然くっつかないですよ。
アメリカ人は手が大きいから、容器もものすごく大きい。日本人では握り切れないような大きさだったりしますが、中身は決して負けていないという感じですかね。
セメダインという名前も、たしか海外のものが入ってきたのが由来でしたね。
大正時代、メンダインという英国製のものが日本に入ってきていて、それが日本の接着剤市場を席巻していたんです。それを、攻めて追い出そうというので、セメダインと。
攻めるの「セメ」なんですね。
アラビックヤマトもそうで、昔、アラビアゴム糊というのが日本に入ってきて、非常に高価だが使い勝手が良かったので、アラビアゴム糊と同じ琥珀色をわざわざつけているんです。
もともとは無色ですよね。
そうです。それに「あら、びっくりよくつく」ということでアラビックにしたらしい。
多様なニーズ
グーグル・ルナ・エックスプライズ(Google Lunar XPrize)という、世界初の民間による月面探査というプロジェクトがあるんです。
日本チームやアメリカチームなど最終的に残っている5チームが、ロケットを打ち上げ月面探査機を着陸させ、月面で500メートル走らせて、その動画や画像を地球に送る、というところまでを最も早く達成したら優勝というコンテストです。
今年の12月に打ち上げるのですが、日本から参加するチームHAKUTOの月面探査機に、セメダインの接着剤が使われているんです。宇宙で使うので、真空状態でのアウトガス、宇宙特有の温度環境への耐久性について、ずいぶん試験していましたが、なんとかいけそうなところです。
宇宙空間となると、やはり軽量化が必要なので、ボルトなどよりも接着剤を使うことになりますね。これは飛行機や自動車でも同様です。ただ、信頼性という点で、やはりボルトのほうが安心だというイメージもあるようなので、そこはどう理解していただけるかという課題も出てくるでしょうね。
今の課題として、ポリプロピレンという材質にはなかなか接着剤がつかないといわれていますので、これは解決していかないといけないと思っています。
求められている接着剤というところだと、例えば食品用の接着剤で、もっと使いやすいものをというニーズはあります。
肉などもくっつけるのは接着剤ですよね。あと、医療用、手術用の接着剤はよく使われていますね。
そうですね。しかも人間だけではなくて、動物の手術にも使われているという話を聞きました。
また、より低温の環境、そして高温の環境で接着剤を使いたいというニーズもあります。何100℃とまでいかなくても、100℃程度でコンスタントに使いたいということですね。
より身近な存在へ
うちのコーポレートカラーはオレンジなのですが、他社のでんぷん糊の容器は黄色なので、黄色を知っている人は関西出身だったりします。関東系の人は、青いやつですか、緑のやつですかと聞かれたりします。黄色も出していますが。
当社も黄色というか、山吹色に近い色です。
セメダインCも黄色じゃないですか。
ほかのものもだいたい黄色にしていますね。
黄色は「くっつきそうな色」なのかもしれませんね(笑)。
今年のエイプリルフールに、「2人がずっと、くっついていられますように」ということで、結婚祝い用のセメダインを「メデタイン」として販売します、というエイプリルフールネタの告知を出したんです。
そうしたら、本当に商品にしてほしいという要望がたくさん来て、実際に商品化しました。中身は普通の弾性接着剤なのですが、桐箱に入れて、のしをつけて、協力接着剤として結婚式の引出物っぽくしたんです。おかげさまで好評で、すぐに完売しました。
面白いですねえ。接着剤関係でも、そういう面白いことがこれからいろいろできそうですね。
接着剤はまだまだ一般の方にとっては身近ではなく、特に女性の方々からは、ここが不便とか、こうしたらもっと便利になるという意見をいただくケースがあります。パッケージを開けて容器から液を出して、というだけでも敷居が高いと感じられているのかもしれません。
そのあたりで、もっと気軽に使っていただけるような方法なども考えていく必要がありますね。剝がしやすさのような機能性はもちろん重要ですが、お客様にとって手軽で扱いやすいというところをこれからも大事にしていきたいですね。
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。