登場者プロフィール

高山 緑

高山 緑
私たちのこころや、からだは歳をとると衰えていくだけなのでしょうか。そんなことはありません。私たちの精神や肉体は年齢とともにしなやかに変化しながら、生涯を通して発達をしていきます。
例えば脳。脳細胞は長い間、消滅するだけだと考えられてきました。しかし、最近、脳細胞は消滅するだけではなく、再生されることもあること、また脳の機能は、細胞の数よりもむしろ脳細胞のひとつひとつがどのように連携しているかが重要であり、その連携は歳を重ね、経験をつむことによって豊かになっていくことがわかってきたのです。
とうぜん、脳の働きと深い関わりのある人間の知的能力も、感情も、性格も年齢とともに豊かに変化します。知能は20歳がピーク?歳をとるとみんな頑固で愚痴っぽくなる?いえいえ、そんなことはありません。例えば人間の知的能力のひとつである、ある種の知能は生まれてから高齢期に差しかかる頃まで、豊かに成長していくことがわかってきました。また、人間の知恵のチカラはたくさんの人との出会いや経験を通じて、高齢期以降も成熟していく可能性があるのです。人は私たちが考えている以上にしなやかで強い存在なのかもしれません。
しかし、人間のさまざまなチカラの生涯発達のプロセスやメカニズムは、まだわかっていないことが多いのです。私はそんな、しなやかで、のびやかで、時には環境に適応し、時には環境に働きかけながら成長していく人間のチカラを、知的能力、感情、知恵、人間関係等の視点から科学的に解明する研究に取り組んでいます。
人間関係論Iを受講している学生たちと。
グローバルな思考や深い洞察力、さらには豊かな人間性を育成するために、理工学部では約160の総合教育科目が開講されています。そのうちのひとつ矢上キャンパスで開講されている「人間関係論I」も多くの学生が履修しています。
理工学部の総合教育科目には心理学関連の科目もあります。感情、パーソナリティ、対人関係の生涯発達を学ぶ「心理学I」、認知のメカニズムを学ぶ「心理学 I」、コミュニケーション能力の理論と実践を学ぶ「人間関係論I・II」など多様な講義が用意されています。(2006年現在)
高校生向けの発達心理学のテキストです。高山助教授も執筆しています。