慶應義塾

呼吸パターンをちゃんと見ると、いろいろな病気がわかる

登場者プロフィール

  • 中島 真人

    中島 真人

新聞記事やテレビ画面で、睡眠時無呼吸症候群に起因した重大な事故のニュースを目にすることが多くなってきました。昨年暮にも高速道路を走行中の大型トラックが、運転手の居眠りによって追突事故を起こし、多くの人が亡くなったのを覚えておられる方は少なくないでしょう。その他にも、新幹線運転手や飛行機パイロット、また飛行場管制官の居眠りが社会を賑しました。

私たちは最近、人体には全く触れずに、睡眠時の呼吸動作をモニタリングする手法を発明し、実際に病院で使用することのできる装置を開発しました。この装置の大きさは、リビングルームなどで使用されているフロアスタンド程度です。ベッドの枕元に立てて使用し、患者さんは、「何かあるな?」程度にしか感じません。

我々の開発した装置は、我が慶應義塾大学病院をはじめとして、すでに5つの病院に研究用という名目で貸し出され、試用して頂いた全ての病院のお医者様方によって、その有用性を確認していただいております。特に、はじめにこの装置を御使用頂いた、新潟県の老人病院の脳外科の先生は、「この装置の使用によって、睡眠時無呼吸症候群と老人性痴呆症の間に深い関係があるということがわかった!」という非常に興味深い学会発表を行っておられます。この春、この装置の特許が慶應義塾大学から某大手医療機器メーカーにライセンス(実施許諾)されました。実際に製品として社会に登場するのは、2年程先のことになると思います。将来は、世界中の病院になくてはならない装置となっていることと期待しています。

ファイバーグレーティング視覚センサを用いた睡眠時呼吸モニタリング装置、無侵襲、無拘束、非接触で、睡眠時の呼吸動作をモニタリングすることができる。