慶應義塾大学 能崎研究室では強磁性体の磁性を担う電子スピンのダイナミクスを研究しています。
電子の角運動量のひとつである電子スピンは、磁場中に置かれると重力場中の駒の様に歳差運動と呼ばれる首振り運動をします。ただし、磁化が磁場と異なる方向を向く状態は磁気エネルギーが高いため時間の経過とともにエネルギーが散逸し最終的には歳差運動が収束します。磁化の歳差運動の緩和時間は1ナノ秒すなわち10億分の1秒程度ですが、動作速度が緩和速度より早い次世代磁気デバイスではこの歳差運動が大きな影響を及ぼします。
そこで能崎研究室では磁化をエネルギー効率良く、しかも高速に反転させるため『磁化の共振・共鳴現象』に着目しマイクロ波を利用した新しい磁化反転の研究を進めています。